プレハブ住宅景観ステップアップ事業(日本都市計画家協会とプレ協まちなみWGとの共同研究) |
今まで紹介した内容は2008年、2009年にプレ協のHPに掲載しておりますので、「美しいまちなみ」の事例として見ていただければと思います。いずれも各ハウスメーカーが手がけた開発事例を掲載しているのですが、美しい町並みになっているのではないかと「プレハブ住宅景観ステップアップ事業」の方でも評価していただいております。
最後に昨年のプレハブ住宅景観ステップアップ事業についてご説明して、次の小浦先生の話に引き継ぎたいと思います。
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平成21年度に、国土交通省の補助金事業「住まい・まちづくり担い手事業」において、NPO法人日本都市計画協会が応募して採択されました。平成21年度は4回の委員会を開催しました。出席された方は、自治体の代表として神奈川県鎌倉市、埼玉県川口市、長野県安曇野市から職員の方々、学識経験者として曽根幸一氏(芝浦工業大学名誉教授)を座長に倉田直道氏(工学院大学教授)、小浦久子氏(大阪大学准教授)、そしてプレ協WGから6社+1設計事務所という方々です。 今年(平成22年度)も採択されました。
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プレハブ住宅景観ステップアップ事業の概要(2) |
そして、典型地区における景観形成上の特性および課題の整理として、現地調査・ヒアリングの実施、今後の課題の検討を行いました。
その後、今年2月(2010.2)には東京でシンポジウムを開催しています。
最初は、日本都市計画協会の方々もプレハブ住宅と工務店が作っている建物の違いが分かっておられなかったようです。「良くない住宅=プレハブ住宅」という印象のようで、いろいろ現地で撮った写真を見ながら話をしていくと、我われが手がけた住宅ではないものもハウスメーカーのものだと思われていることが分かりました。なぜそうなるかというと、そうした住宅に使われている外壁が知らない人にとっては全部プレハブに見えてしまうということもあると思います。
ですから、日本都市計画協会の方々にも最初に住宅展示場に行っていただいて、プレハブ住宅とは何かというところから勉強していただきました。
自治体から返ってきたアンケートでは、開発型の仕事についてはある程度の評価をいただきました。しかし、プレハブ住宅の課題としては「歴史的な集落や田園、伝統的な景観の中では合わない」「落ち着いた住宅地の環境と調和しない」「バリエーションが少ない(伝統的な様式と調和するデザインが少ない。あってもコストがかかる)」ということが指摘されました。
その他、「外構の緑化が十分ではない」という意見も上げられています。実は、この背景には外構計画が建物と一緒に契約されてなくて、外構と建物が一体的に設計されていないという場合も多くあるのです。
こうした難しさについては、次の小浦先生からお話が聞けると思います。小浦先生、よろしくお願いします。