ニューヨーク、ボストンの都市デザイン最新事情報告
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タイムズスクウェアの光景

 

 ここから、現地の様子を見て頂きましょう。

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11 12
 
 写真11、12の正面真ん中に見えるビルが、ニューヨークタイムズ本社ビルの看板建築です。両側には非常に大きなサインがたくさん見えて、激しい広告競争が繰り広げられている様子が分かります。その足元には、オブジェが各所に設置されて歩行者空間化しています。この筋がブロードウエイです。そして、写真11、12は同じ時間帯なのですが、広告がLEDの大型映像で設置されているので一瞬にして広告内容を変え、都市景観を変えてしまうことができます。当然、それだけ広告収入も高く取れるということですね。

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13 14
 
 歩行者空間化してくると、写真13、14のようにいろんな装置やストリートファニチャー類が道路上に出てくるのは当然のことだと思います。写真14のように観覧席が設けられているところもあります。ここはタイムズスクウェアの北の端になりますが、この下が劇場のチケットオフィスになっています。

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15 16
 
 Ticketsというのをご存知でしょうか。ミュージカル等の当日の売れ残りの券を安く販売してくれる仕組みで、写真15のように上映時間が近づくと行列が並びます。余談ですがこの仕組みを日本でもやろうということで、やり始めたのですが、日本では興行の形態や権利関係のために、ニューヨークほどうまくいってないという話を聞きました。写真16が観覧席の下のチケットオフィスの状況です。

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17
 
 写真17は街の雰囲気を表している写真です。とにかく、アメリカ人は座るのが好きだなというのが私の感想でして、街のあちこちに持ち運びできる移動用の椅子やテーブルがあります。ブライアントパークなどの公園にもこうした移動用の椅子・テーブルはたくさん用意されていまして、ここが日本の都市デザイン関係者の間でよく知られるようになったのですが、ずいぶんいろんな所にこのシステムが使われていると感じました。

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18 19
 
 写真18、19はディズニーフィケーションによって町中に出てきたディズニーのキャラクターです。こうして、来街者と一緒に写真に収まってくれたりします。写真19のように、カメラを向けるとすぐこんな風にポーズを取ってくれました。

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20 22
 
 写真20、22は町中の看板の様子です。写真22の右の映像はビルのどこかから下のブロードウエイを映したものですよね、それをビルの屋上に腰かけたキャラクターが見下ろしているという設定になっています。

長町
 これインタラクティブでしたよね。

角野
 ああ、そうそう。映像がちゃんと反応してくれるというものでした。

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23
 
 それから街を楽しむいろんな装置があちこちにありました。写真23は、ブロードウエイの少し南に下がったところで撮った写真ですが、いわゆる自転車タクシーの「ベロタクシー」と呼ばれるものです。それから、ネイキッドカウボーイ(パンツ一丁のカウボーイ姿)なども街の有名人としてよく見かけます。

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24 25
 
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26 27
 
 そこからブロードウエイを下がっていくと、写真24〜29のような風景を見かけながら歩くことになります。街路のポールの上に置かれた赤っぽい彫刻のストリートファニチャーも、いっぱい並んでいました。

 ユニオンスクエアの方に行くと、写真25のファーマーズマーケットが非常に有名です。

 こんなふうにブロードウエイ全体が、場所ごとに雰囲気、イメージを少しずつ変えながらマンハッタンの中に一本の軸を通していて、しかもそこを歩行者空間化しておりました。民地の歩行者空間と道路の歩行者空間、それから公園広場が上手につながれていると感じました。単純にどこかの場所だけを単体に歩行者空間化するのではなく、それらをどうつないでいくかが重要なのかなと思いました。

 また余分な話かもしれませんが、タイムズスクウェア・アライアンスでも写真27のようなワイファイフリーのサービスをしています。

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28 29
 
 写真28は「ついにアンディ・ウォーホールもモニュメントになってしまったか」と思って、つい写真に撮ってしまいました。

 結局、最初に作られた情報メディアとしてのこの街のイメージが継承・継続されていって、それがエスカレートしていく方向に進んでいるのかなというのが私の印象です。

 以上、私の報告を終わります。ありがとうございました。

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