市民レベルの広場活用・まちの魅力発信活動
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スローソサエティ協会

 

米谷

 今私の肩書きは「一般社団法人ひとネットワークひめじ理事」となっていますが、もともとは「特定非営利活動法人スローソサエティ協会」の理事長を6年前から務めています。

 まずはスローソサエティ協会のことを簡単に紹介いたします。私は姫路出身ですが、10年ほど東京で大学生活と就職で過ごした後、また姫路に帰ってきたわけです。大学時代は文学部で美学芸術をやっていましたから、建築の専門では全くありません。

 スローソサエティ協会もそういう意味では何かの専門から生まれたわけではなく、今の社会の課題が多様性やいろんなつながりが失われていて、何かを生み出すプロセスが軽視されている、そういう課題から生まれたわけです。やはり時間とお金とモノのものさしを見つめ直すことが必要じゃないかということから生まれた活動です。

 スローライフの3つの勘所としては、(1)循環・つながりをもう一度意識する…空間、(2)ものごとを長いスパンでとらえる…時間、(3)判断のものさしを取り戻す…自立、このようなことを考えました。

 循環とつながりということでは、世界最初の環境破壊とも言える「ギルガメシュ王の物語」とか、目に見えない大きな循環(大気の循環)にも目を向けてみようと言っています。

 時間軸を長くとるという点では、ネイティヴ・アメリカンのオノンターガ族の考え方「7世代先のことを考える」という観点から物事を判断するようにしています。例えば、この木を切ることは7世代先にどういう意味を持つかという風に考えるのです。

 また、究極の循環という点で言うと、地球の堆積作用ということがありますね。よく化石燃料を取り出すと地球の温暖化につながると言われますが、その堆積作用のスピードで社会や地球を捉え直すと、今の活動はどういう影響を与えるのかという時間軸で考えてみるのです。

 ものさしを取り戻すという点で言うと、スティーヴン・コヴィが『7つの習慣』という著書の中で、重要度と緊急度でものごとを4つに分けると、重要かつ緊急のことに対しては誰でも動く、重要でも緊急でもなかったら誰も動かない、問題なのは、重要ではないけれど急いでいることに人はついつい時間やエネルギーを割いてしまって、緊急ではないが重要だという本当に大切な問題に取り組もうとしないと言及しています。

 あるいは、私たちは1週間後も元気でいるだろうとなんとなく思って過ごしていますが、もし7日後に人生が終わるとしたら毎日のやるべきことの優先順位は劇的に変わるんじゃないでしょうか。そんなことも考えてみたら、自分のほんとうのものさしも分かるんじゃないかということです。

 そういう考え方からスローソサエティ協会は生まれ、消費から創造する生活へ、自給する生活へ、ものさしを取り替えるということを提唱しながら活動しています。

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