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コメント2(田端修氏)

ニュータウンの反省

 集合住宅と言いますのは、 住宅という同種のものが塊状に集まっている、 そういう仕組みです。

今日の写真でハーローニュータウンがありましたが、 私は実際行ったことがなくて、 しかし全体のマスタープランを見て、 ニュータウンはどうとかこうとか、 はめ加減でしゃべったりしていたのです。

今日の写真を見て、 ああ、 恥ずかしい話をしてきたなあという感じでした。

   

 本当に外壁だけで、 壁がつながってそれで住宅地という話になっていることがよくわかりました。

道ゆく人とのコンタクトのとりようもない。

ひどい住宅地がたくさんできてるのだなあという気は、 実は雑誌などでイギリスの中低層住宅のプロジェクトを見ながら感じていたのですが、 ハーローもそうだったのかということです。

もちろん同種のものの集まり方を割り切るとそういう形もあり得るわけですが、 もう少し違う集まり方を一生懸命考えなくてはいけないということだと思います。

   

 そこで、 人間の集め方・住宅の集合のさせ方のもう1つの視点として生活感とか、 ヒューマンスケールとか、 開放性とか、 そういった視点はあるかと思います。

   

すぐに作り替えられて良いのか

 それからもう1つ、 すごく印象に残ってるのは寝屋川の路地とか、 ギリシャの方の集落の路地のような空間です。

それは時間をかけてできてきたモノというお話をされたのですが、 そういう「自然」とか、 「時間」とかいうものが非常に大事である。

しかし、 それを我々がどうつないでいけるのか、 どのように計画やデザインを進める際の条件とし得るのかという話が難しいのです。

   

 例えば集合住宅の歴史を思い出すだけでいいのですが、 例えば2DK、 ああ狭いなあ、 最初は40数m2ですからね。

だんだん大きくなってきて、 最近では公営住宅でも60数m2ありますが、 そのような基準の改定に対応するために、 建物を全部作りなおしてしまう。

20年くらい経過すると、 実際には構造的には保つのだけれども、 これは老朽化しているということで潰して造り替える。

日本の場合、 各所でこういうことを繰り返しているのです。

   

 そういうふうに大量に作ったものを大量に壊して造り替えていくというスタイル、 社会的形式の中で、 時間をかけて造ってきたものがうまく継承していけるかどうかというのは、 先ほどおっしゃったような話では少し足りないような感じがします。

団地の作り替えの作業がなお続々と控えていますので、 日本の住宅、 あるいは建物を造り替えでやってきた歴史と文化ということと、 環境の良さをつないでいくという話がどういうふうに説明し得るのかというあたりの話が聞けたらと思います。

   

説得の技術について

 それから、 色々やってこられた中で、 特に最近の仕事については、 うまく説明できない、 分かりやすく説明ができない、 中に入ったら分かる、 直接感じないと分からないなど、 プロジェクトの複雑化傾向にあると言っておられました。

私もそういう傾向が広く見られるとは思いますが、 その時に、 計画者・設計者としては図面、 ある程度の言葉、 数字、 というようなもので説明するわけですが、 でも分かってもらえない。

しかしやっぱり作らすわけです。

どんなふうに説得すれば実際に、 図面で見てわかりにくいものが、 説得ができるのかというあたりを聞かせていただければいいなあと思います。

   

鳴海邦碩氏

 それは秘密ではないのですか。

(笑い)

   

田端修氏

 いや、 ちょっと待ってください。

言いたいことは、 日本の近代都市計画は、 住居地域とか、 工業地域とか、 商業地域とか分けて、 機能純化ということでやってきて、 役所などで土地利用計画とか都市の話をする場合、 純化論でないと分かってもらえないのです。

用途を混ぜ合わせて造る街の方が気持ちがよいのだと言っても、 理解してもらえなくてそんなややこしい話はようしないということで、 わりと楽な機能純化論でやってるわけです。

これをやはりつき崩していかなければいけないというふうに思っているわけですが、 さきほどからの遠藤さんの説明の難しいプロジェクト云々という話題と根っこは同じだと思います。

こういう場面で遠藤さんは、 どういうふうに説得をしてこられたかを聞きたいということです。

   

都心居住

 それから、 3つめに、 鳴海先生の方から都心居住という話もありましたが、 やはりこれを進めていかなくてはならないという話ですが、 大阪や京都の都心でいえば、 同じようなグリットで割られた、 ちょっと似たような市街地がつながっているのです。

   

 弁天町であれば海がありますが、 街の中の方ではここの場所と特定するような材料がそんなに簡単に見つからないかと思うのです。

しかし違うものを作らなければいけないのかどうかとか、 そうおっしゃってないかも分かりませんが、 個別性、 識別性のあるものを作っていくのだというニュアンスのお話だったと思います。

ぼくの考えでいけば、 そういう個性的な住宅地や住居建築を作ることによって、 都市や都心居住に対し人の目が向くことになる。

ですから、 とりあえず今の段階は目立つものを作ったらいいとぼくも思っているのですが、 そのあたりどのように思っておられるのかお聞かせください。

   

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