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土の存在と微生物の働き

 屋久島ゼロ・エミッションモデルを都市に生かす。

それをどういうふうに考えていけばいいのかと言いますと、 都市に土、 言い換えれば微生物が生育できる土のあるオープンスペースをさらに増やしてゆくべきだということなのです。

ここで微生物ということが重要なのです。

微生物は、 有機物を分解して肥料にする機能を持っています。

だから都市から発生する有機物、 言い換えれば食べ残しなどで出てくる生ゴミを土に還して肥料にしてくれるのです。

つまり、 都市にはそこから発生する生ゴミを肥料にして、 また作物を栽培する微生物のいる農地が必要だということなのです。

   

 近代農業の場合は大規模農業開発や農薬などによって、 どんどん微生物が生きている土を破壊してきました。

そこで私は、 都市にこそ農業が必要ではないかと思うのです。

例えば、 ニュータウンから排出される生ゴミや落ち葉を全て土に還していくというのは、 さほど難しいことではありません。

   

 東京都23特別区が出している『宙』という雑誌があるのですが、 そこで興味深い仮説を展開しています。

なんと23区から排出される生ゴミを肥料にして野菜をつくると、 23区の人々は完全に自給できるというのです。

東京全体をゼロ・エミッションにすることが夢ではないのです。

   

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