それが一体何なのかということが今回のこの『日本の都市環境デザイン』でもっとはっきり出てくるかと期待していたのですが、 どちらかというと拡散してしまっている印象があります。
都市環境デザインが目指している都市空間がどんなものなのか、 立派なプロジェクトがあるし屋台もあるのだけれども、 自分たちにとってどんな空間なのかなということが、 十分には語られていないということです。
そういう意味で、 次の本では、 作っていく、 あるいは修復していく、 守っていくといったときに、 一体何を目指しているのかということをもう少しはっきり誰にでも分かるような形で示していただいた上で、 より専門的な議論をしていただけると、 広がりがもっと出てくるのではないでしょうか。
土田先生の今日のお話しも、 結局、 都市環境デザイン誕生から30年を経て、 未だ、 基本的な視座すら定まっていないまま、 なんとなく隆盛を迎え、 なんとなく寂しくなるかもしれないというお話であったのではないかと思います。
なにかもやもやしたものがあって、 それをなんとかすっきりさせるような言葉が必要なのかもしれないと感じています。