今日は、 たくさんの写真をお見せしたいと思います。 (その多くはこの要約では割愛しています。 )
写真家の頃のように、 撮影してお金を貰う必要がありませんから、 優しい写真です。 昔は、 新しくないのに『新建築』とか、 文化がないのに『建築文化』とか、 空間がないのに『SD』とか、 そういった雑誌に載せるためには、 それらしい写真を撮る必要がありました。 そういった雑誌に載せたいと思っている建築家に気に入ってもらうことも必要でした。 今日お見せするのは、 そういうことに煩わされない自分なりの写真です。
ついでに申し上げますと、 筑摩書房から『カメラマンからカワラマンへ』という本を出しています。 今日も10冊持ってきています。 これが売れますと、 かーちゃんも喜びますので良かったら買ってください。
どういう訳か、 まだ再版されていません。 酔っ払いの話だとか、 引用が多いなんてことを言う人もいますが、 書評でも多くとりあげられ、 評判はよい本です。
この本のタイトルにあるように今はカワラマンを名乗っています。
「なぜ建築写真家をやめたのですか」と聞かれた時に、 「カメラマンからカワラマンへ1字だけの違い、 転職、 転身…」と説明すると結構受けます。
それはともかく、 私は瓦業界に「カワラマン、 瓦師と名乗れ」と言ってきたのですが、 受け入れられません。 名乗っているのは私だけです。 瓦屋さんの中にも、 親が瓦屋さんだったということだけで瓦屋さんになっていて、 土に触ったこともない経営者もいます。 そういう現実があります。
私が建築写真家をやめた一つに、 あまりにばかばかしい軽い建築ばかりが世にはびこり、 撮るものがないと思うようになったからです。 そういう話をしますと、 「じゃあ、 どういう建築が重くていい建築なんだ」と聞かれました。 答えは「粘土瓦を屋根に使った建築がよい建築」です。 これで特集をしたらどうだとある建築雑誌の編集長に言いましたら、 「うちは今でもマイナーな雑誌なのに、 そんなことをしたら、 ますます雑誌が売れなくて首が危ない」なんて言うので、 「そんなことで首が危なくなるなら、 さっさとやめて、 淡路に来て瓦を焼いていた方がよっぽどいいぞ」なんて、 言いたい放題、 言っています。
カメラマンからカワラマンへ
このページへのご意見は前田裕資へ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai