山田脩二氏講演
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震災後の淡路の状況

司会
 震災後の淡路の状況についてはいかがでしょうか。

山田
 地盤の弱かったところは悲惨な状況です。

 ただ、 淡路で代々の土地を大事にして百姓をしている人たちは、 また瓦を葺きなおしています。

 しかし全体としてはハウスメーカーの思う壷にはまっていると言えます。 瓦業界も約17億円の被害があったと言っていますが、 そんなことよりも瓦の生産の構造的な問題です。

 いま瓦業界は装置産業化して、 土をこちら側から入れると反対側から焼き上がった瓦が出てくるような、 そんなつくり方になっています。 大量につくり続けざるを得ないということです。 一方、 屋根の上に上がる職人さんを育ててこなかったから、 職人さんがいなくなっているということも大きかった。 結局、 生産だけ続けてきたから安く売る以外になくなっているのです。

 来年ぐらいから変わってくるとは思います。 生産施設の償却がそろそろ終わりますから、 三分の一ぐらいはやめるんじゃないかと思います。

 このまま大量に瓦を作り続け、 均一・均質な味気のない瓦を作り続けるのではなくて、 明治・大正の頃の味のある瓦を作っていた頃まで戻らなきゃいけない。 鬼瓦や道具物(役瓦)などもコツコツと造り、 手工業に立ち戻ることも考えようと言っています。

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