写真60(環境骨格構想図)
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すでに述べたキャナルタウン兵庫もそうですし、 多摩ニュータウンのベルコリーヌ南大沢や幕張の住宅街区などが有名です。
しかし、 もっと長い時間をかけなければならない、 そして広範囲の場合はどういう景観指針を持てば良いのでしょうか。
これは、 700ha以上、 12のヴィレッジとよんでいるブロックで構成されるまちの場合に、 こんな時代ですから、 相当長い時間のなかでできていくことになるまちづくりのガイドラインをどうつくっていくかという話です。
そこで、 まず、 場所を解読することからスタートしようと提案しています。
たとえば、 風はどう流れるのか、 昔はどういう地形だったのか、 昔の尾根線や谷筋と今の計画はどんなことになっているのか、 それにたいして道路や造成はどうなっているのか、 施設配置や都市計画はどうなっているのか、 お互いのヴィレッジ相互の見え方はどうなのか、 既存のまちとの関係はどうなのか、 といったことを解説した環境構造図のようなものをつくり、 それに対して、 マスモデルで構想しながら、 今後個別に開発をすすめるにあたり、 環境として留意しなくてはいけない要因、 要素をまとめた環境骨格構想図を作成し、 それをまちづくりに関わる全ての人がテキストとして持ち、 デザインコミッティのような人達と議論をかわしながらまちづくりをすすめていくということを考えています。
今は、 そういった方向性のなかで、 試行錯誤をくりかえしながら、 目標の共有化のはかれるガイドラインを模索している段階です。
これからの新しい環境デザインの領域の例として知っておいていただきたいものです。
本日は、 さまざまな社会・環境条件と応答しながら、 環境デザインの視点で建築や土木、 その他の環境のデザインを解いていく実例を見ていただきました。
商業施設やオフィスといった例には触れませんでしたが、 このようなことのトータルでまちはできているのです。
様々な社会条件、 環境条件との応答が妙味を発揮するのが環境デザインともいえるのではないでしょうか。
なかなか楽しいデザインの領域だと思っています。
(注1)鳴海邦碩「都市環境デザインの方向」『都市環境デザイン’97』都市環境デザイン会議前に 目次へ
(注2)江川直樹「住まいに関して」『新住宅臨時増刊1988』新住宅社
(注3)江川直樹「場所の声を聞く」『住宅建築1994-02』建築資料研究社
(注4)(注6)江川直樹「〈集まって住む形〉をデザインする」『都市環境デザイン』学芸出版社
(注5)江川直樹「4つのタウンスケープ」『LANNDSCAPE vol. 2』日本興業株式会社