土木デザインとは
図1のように3種類に分かれます。
一つは構造物そのもの。
2番目は社会基盤になる施設。
3番目は社会基盤の空間とか環境とかにおけるシステムです。
都市環境を作る人たちには、 建築出身の人たちがいるし、 造園の人たちもいます。
けれども、 建築とか、 造園の人は、 いわば上物を作るわけです。
造園の人たちも、 土をなぶるのですが、 どちらかといえば上物を作るという感じがあります。
それに対して、 土木屋さんは基盤を作ります。
デザインにとっても基盤的なものを作るという役割を担っているわけです。
また都市とか環境を動かす人たちには、 お役所の人が多いのですが、 その人たちの多くは土木技術者です。
ですから、 都市計画を動かしているのは、 かなりの部分、 土木技術者です。
ところが、 11月7日の天声人語に「土木という言葉は、 よくよく薄幸な運命にある。
その語から連想するものは、 無駄遣いだとか、 利権とか、 環境破壊とか、 公共事業が負うべき罪を土木が一身にうけている…」と書いてあったわけです。
これが一般の人たちが土木について思われるところではないかと思います。
終わりの方で「欧州では、 土木が社会資本としてしっかりと定着している。
同じ土木が日本では醜悪者の見本のようにいわれる。
責任はもともと美しい土、 木ではなくて、 明らかに人間にある」とありました。
私も、 「土木が美しいまちは美しい」「土木がおもしろいまちはおもしろい」と言っております。
欧州では、 そういうことを感じることが多々あるのです。
それでは、 写真を見ながら、 土木が社会資本として確かに定着していて、 なおかつ環境の基盤、 しかも美しい環境の基盤になっているということを、 まず見ていただきたいと思います。