私は、 芦屋シーサイドタウンの一番海べりに住んでおります。 ですから、 この南芦屋浜団地は目の前に見えており、 毎日現場の進捗状況が窓から見えるという素晴らしい立地でして、 それが今回関わることになった大きな動機になっています。
私も震災の時は芦屋にいたと言いたいのですが、 実はたまたま違う場所にいて、 あの大揺れの時はいなかったのです。 帰ってみるとみなさんご存じの惨状だったわけですが、 震災直後からみなさんがいろんな形で活動をされている中で、 私自身はボォーとしていました。 その理由はいくつかあるのですが、 私自身に何が出来るかを落ち着いて考えたかったということがありました。
そういう状態が一年続く中で、 震災によって世の中の価値観が大きく変わった、 あるいは変わるであろうということを実感を持って感じたんです。 私自身は何が出来るかを思い悩んでいたんですが、 その時一番強く思ったことは、 芦屋に住んでいると言うものの夜中に寝に帰るだけの場所でしかなかったということです。 ほとんど、 住んでいる場所との関係がない。 やはり一個人としても、 普通の暮らし、 つまり普通の人との関係や近所との関係をつくっていかないと、 私がプランナーとして提示していることや自分の考えがいかにも嘘っぽいのではないかと感じたわけです。 それが、 今回のプロジェクトに関わった私の背景としてあります。
このプロジェクトの話を聞いた時、 これはリアリティを持って関われるいい機会を与えられたと思いました。
プロジェクトとの関わり
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