震災復興景観の現状とめざすべき方向
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プレハブはどの程度建てられたか

改行マーク今回お二人と一緒に調査をさせていただいたのですが、 私は神戸阪神間と淡路地域を合わせて、 全体的な問題点の整理と、 これからの方向性を報告したいと思います。

画像ho011p 改行マーク最初に実際どのくらいプレハブが建ったのかを見ていきたいと思います。

改行マーク平成7年の1月が震災です。 図1-1の青い線が民間住宅全体の件数で、 その内一戸建と長屋建が赤い線で、 一番下のみどりの線がプレハブ住宅です。 民間住宅全体でだいたい1年後、 つまり1年以内に1度ピークが来ています。 その後おおむね1年半ぐらいピークが続きます。 その間、 民間住宅全体と戸建、 プレハブは、 だいたいよく似た傾向であったことがわかると思います。


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改行マークプレハブ住宅ばかりが建っていたかのような印象があるのですが、 果たして実際はどんなものかということを見てみたのが図1-2です。

改行マークプレハブ住宅の割合は震災前には10数%ぐらいだったのですが、 プレハブは全国的な工務店等のネットワークや動員力があり、 建設の立ち上がりが早く、 ほんの1年ぐらいの間に一気に25%までシェアを伸ばし、 ピーク時は30%近いシェアを占めています。 その後ずっと下がっていって15%ぐらいに落ちます。 印象としては意外とプレハブ住宅の比率が高くないと思われるのではないかと思います。


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改行マーク図1-3は、 地域別に工法別の割合を見たものです。 淡路はほとんどプレハブらしいプレハブはありません。 神戸も阪神間もトータルでだいたい2000戸前後。 阪神地域の方が若干プレハブの比率が多かったという傾向があります。

改行マークにもかかわらず、 なぜこんなにプレハブが多く見えるのかということですが、 一般の戸建住宅でもプレハブらしい様式、 すなわち乾式工法、 パネル工法などで建てられるのが一般的だということが分かりました。 プレハブ業界の人に聞くと、 あの建物のモジュールは在来工法である。 外装材は確かにパネルを張っていて、 どこそこのメーカーの物である。 しかしあれはプレハブではないとおっしゃる。

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