復興景観の問題点
一番大きな問題が更地管理の不十分さ、 不徹底ということです。 これは淡路の例ですが、 これは周辺が区画整理の予定地のはずれということもあり、 更地のまま放ったらかしです。 フェンスとかで囲われて非常に管理不行き届きだという状況があります。
|
二つ目は土地利用の変化に関わるものです。 これは須磨区離宮道の辺りです。 先ほど古い近代建築の例がありましたが、 そこを少し南に下がったら、 このように屋敷跡がマンションに建て替わっています。 規模の大きい戸建が、 3階から4階建ぐらいのマンションになって、 土地利用の変化が周辺環境とのミスマッチをおこしています。
|
西国街道とかの街道筋の建物、 伝統的な建築物やランドマーク的な建物がなくなって、 町並みの個性あるスポットが消えてきています。 これは宝塚の例ですが、 元々こういった街道沿いに蔵があったのですが、 今は空き地や駐車場になっています。 この辺にはひとかたまりとして歴史的な雰囲気があったのですが、 一気になくなってしまって、 ミニ開発がぽろぽろと見えているという状況です。
|
これは西宮門戸地区ですが、 元々、 もう少し引きがあったのです。 生け垣とかがあった所ですが、 建て替えられてしまうと、 すぐ駐車場、 すぐ門という形になって、 道路と建物の間の引きといいますか、 空間がなくなってしまいます。 ほとんど駐車場なりささやかな緑になってしまうということです。
|
同じように、 復興のプロセスの中で「家は建ったけど駐車場を作る費用も、 庭木を植える余裕もまだない」ということで、 家だけ建っています。 今後先ほどの緑化の事例とか、 あるいはパーゴラとか、 いろいろな改良の可能性があるところです。 現状ではこれが周辺の既存の宅地との景観を分断しています。
|
これが伝統的な敷際要素の消失・改変です。 たとえば生け垣とか石積みでつながっていたものが、 駐車場等でずぼっと抜けて、 欠落した風景になっているという場合があります。
|
敷際がコンクリートで固めた駐車場やブロック塀、 フェンスで構成されることが多く、 無機質で画一的になっています。
|
先ほど淡路の例がありましたが、 歴史的な建造物等である程度文化財的な位置づけができているものは良いのですが、 地域の共有財産は復旧が遅れています。 これは神社の塀です。 井戸とか神社とかについてはお金がある集落は比較的早く再建できているのですが、 そうでないところはまだまだこれからです。
|
先ほど商業地のアーケードが無くなってしまった街区の説明がありました。 この写真の例でも角っこに店舗があったのですが無くなって空き地になっています。 商店街が歯抜けになって、 仮設店舗であったりテント村として商売しています。 商業地はまだ復興が進んでいません。 その中でも、 コミュニティの中心であった商店街の衰退が目立ちます。
|