震災復興景観の現状とめざすべき方向
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復興景観の問題点

改行マーク次に、 この間の阪神間、 淡路、 神戸の復興景観の問題点をお話ししたいと思います。


更地の管理不十分

画像ho02p 改行マーク一番大きな問題が更地管理の不十分さ、 不徹底ということです。 これは淡路の例ですが、 これは周辺が区画整理の予定地のはずれということもあり、 更地のまま放ったらかしです。

改行マークフェンスとかで囲われて非常に管理不行き届きだという状況があります。


土地利用の変化

画像ho03p 改行マーク二つ目は土地利用の変化に関わるものです。 これは須磨区離宮道の辺りです。 先ほど古い近代建築の例がありましたが、 そこを少し南に下がったら、 このように屋敷跡がマンションに建て替わっています。 規模の大きい戸建が、 3階から4階建ぐらいのマンションになって、 土地利用の変化が周辺環境とのミスマッチをおこしています。


集落構造の変化

画像ho04p 改行マークこれは北淡町の例ですが、 先ほど横山さんが集落の構造ということを説明されましたが、 建築基準法に適応させるなり、 駐車場を持ってくる、 あるいは住宅の規模を拡大するといったようなことから、 だんだん集落のルールが崩れています。

改行マーク従来持っていた集落型のコミュニティの構造とあわない部分が出てきています。

改行マーク特に路地のような共同空間について、 そういう問題が出てきています。 この写真で言いますと、 閉鎖的といいますか、 フェンスで仕切るような形になっています。


伝統的な建物の消失

画像ho05p 改行マーク西国街道とかの街道筋の建物、 伝統的な建築物やランドマーク的な建物がなくなって、 町並みの個性あるスポットが消えてきています。

改行マークこれは宝塚の例ですが、 元々こういった街道沿いに蔵があったのですが、 今は空き地や駐車場になっています。 この辺にはひとかたまりとして歴史的な雰囲気があったのですが、 一気になくなってしまって、 ミニ開発がぽろぽろと見えているという状況です。


工業化住宅と伝統的な町並み

画像ho06p 改行マーク先ほど説明したようにメーカーのプレハブ住宅そのものはそれほど多くはないのですが、 大工、 工務店の建てる住宅も、 工業化素材を使ったもの、 いわゆる乾式の建物といいますか、 塗装外壁パネルとかいった、 工業化部材を使ったものが、 早く建つ、 あるいはコスト的にも安定しているということで増えています。

改行マークこれは右側は古い町並みが残っているところですが、 左側の壊れたところはプレハブで建て替えられています。 また、 特に神戸阪神間に多いのですが、 新たに駐車場を確保する、 ところが敷地面積が狭いものですから、 外構が圧迫されています。


工業化住宅の露出による町並みの画一化

画像ho07p 改行マークこれは西宮門戸地区ですが、 元々、 もう少し引きがあったのです。 生け垣とかがあった所ですが、 建て替えられてしまうと、 すぐ駐車場、 すぐ門という形になって、 道路と建物の間の引きといいますか、 空間がなくなってしまいます。 ほとんど駐車場なりささやかな緑になってしまうということです。


無機質な駐車場

画像ho08p 改行マークたぶん多いのは駐車場です。 これは将来このままで続くのかどうか、 いろいろ議論があるところだと思うのですが、 大きい宅地や、 建物がなくなっています。

改行マークこれは須磨の離宮道周辺ですから、 かなり大型のお屋敷だったところだと思います。 それがマンションになるのか、 あるいは暫定的な土地利用なのかともかくとして、 今は駐車場で使われています。 かなり大きい宅地が2つ3つ連続して駐車場になっていて、 住宅地の中ですが、 まるでスーパーの駐車場のような格好になっています。


外構の未施工

画像ho09p 改行マーク同じように、 復興のプロセスの中で「家は建ったけど駐車場を作る費用も、 庭木を植える余裕もまだない」ということで、 家だけ建っています。 今後先ほどの緑化の事例とか、 あるいはパーゴラとか、 いろいろな改良の可能性があるところです。 現状ではこれが周辺の既存の宅地との景観を分断しています。


敷際要素の消失・改変

画像ho10p 改行マークこれが伝統的な敷際要素の消失・改変です。 たとえば生け垣とか石積みでつながっていたものが、 駐車場等でずぼっと抜けて、 欠落した風景になっているという場合があります。


敷際の無機質化・画一化

画像ho11p 改行マーク敷際がコンクリートで固めた駐車場やブロック塀、 フェンスで構成されることが多く、 無機質で画一的になっています。


社寺等の付属要素

画像ho12p 改行マーク先ほど淡路の例がありましたが、 歴史的な建造物等である程度文化財的な位置づけができているものは良いのですが、 地域の共有財産は復旧が遅れています。

改行マークこれは神社の塀です。 井戸とか神社とかについてはお金がある集落は比較的早く再建できているのですが、 そうでないところはまだまだこれからです。


店舗の減少

画像ho13p 改行マーク先ほど商業地のアーケードが無くなってしまった街区の説明がありました。 この写真の例でも角っこに店舗があったのですが無くなって空き地になっています。 商店街が歯抜けになって、 仮設店舗であったりテント村として商売しています。 商業地はまだ復興が進んでいません。

改行マークその中でも、 コミュニティの中心であった商店街の衰退が目立ちます。

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