みなさんの多くも仕事上で復興に関わっておられると思いますので、 今回の調査報告にはない別の観点から景観に関するご意見があればうかがいたいと思います。 それでは先ほどの報告に関してご質問、 ご意見があればどうぞご発言ください。
また、 住宅の景観について言えば、 プレハブ(工業化住宅)はいいのか悪いのかという話がありますが、 いい悪い以前にプレハブにせざるを得なかった事情(大工さんがいない等)を考えると、 プレハブの景観をどう考えたらいいのか。 また住宅を取り巻く擁壁を石垣で造るかコンクリートでいいのかの問題もあり、 ガイドラインをどうつくり、 どう指導を進めていけばよいのかを考えてしまうのですが。
それと今回の報告にはマンションの話題があまりありませんでした。 低層の市街地にマンションが建つことで町並みの景観が大きく変わっていくのですが、 そのことについて何かご意見があればうかがいたいと思います。
堀口さんのお話で面白かったのは、 住宅がプレハブ化しているのではなく街並みのプレハブ化だという視点です。 私たちは震災復興に関わっていますが、 私は生活空間として新しい空間-景観を提示し得たのかということをいつも考えていましたので、 その視点は非常に新しいものだと感じました。
景観づくりには、 セルフエイド型で住民が自ら発見する方法と、 専門家が強制的に押しつける方法と、 2つの場合があると思います。 そういうことも含めて、 今までと違うと思われることがあったら教えていただきたい。
震災前から思っていたことですが、 日本の街並みを見て非常に貧しいなと感じるところは終戦直後につくられた街並みです。 どこも一緒でつまらない街が多い。
そういうところの共通点は、 お金がないだけでなく、 精神的な余裕を失っているという点ではないかという気がします。 ですからもっといろんな提案をして、 例えば駐車場を土で覆うなど、 お金のかからない話だったらみんなに受け入れられると思うのです。
またまとめのお話の中で「みんなで共有できるもの」との提案がありましたが、 共有するものを持つための前提はどうしたらいいのか。 たぶんコミュニティの問題だと思うのですが、 そのことについてご意見があれば聞かせて下さい。
それとセットバックした空間で両側に舗装した道のかわりに土を盛った空間がある例を面白いと思いました。 全国的にあいている空間をアスファルトで固めている中、 ああいうワイルドな空間に勝手に花でも植えたらさぞ面白いだろうと思います。 また4mと2mの道路が混ざっているということは、 我々の仕事では絶対ありえないことで、 そういうことも楽しいと思いました。