緑地の構造と建物構造とをある程度合致させようと考えましたが、 その際、 緑地の役割として、 屋上の緑化と、 2階から6階の住戸にまつわる緑地、 そして一番下の土に接している部分の緑地の役割は、 やはり違うだろうと当初から想定しておりました。
潅水だけでは単に植物だけですので、 その水を流していくことが検討され、 水と植物の組み合わせでいくことになりました。
水の庭園は、 基本的には立入禁止になるわけです。 この狭い水の庭園に人間が入ってくる、 入ってこないという論議をずいぶんしました。 先ほどの地図(図3)でお見せしましたが、 歩いて10分以内のところに街区公園が結構あります。 ですから、 子供達がどういうふうに過ごすかということを考えたときに、 10分以内だったら外で遊んでもいいんじゃないかということになり、 基本的に、 水の庭園は人間以外の生物のサンクチュアリにしていくことになりました。
ここは、 野鳥の会さんによって育生管理がされていまして、 ずっと丸谷さんを中心に調査をされております。 丸谷さんの許可がなければ入れないということになっています。 そういう状態で維持されています。
屋上の環境緑地と1階のエコロジカルガーデンは、 2階から6階の外皮に植え込まれた植物の媒介があって、 関連づけられているという構造を採りました。
NEXT21の緑地の構造
の3つに区分して考えました。
水の庭園
NEXT21では、 省エネと、 水の有効利用が考えられました。 1階の緑地は、 水の庭園としたわけですが、 中水と上水をどう利用するかが問題でした。 2階から屋上までの潅水には中水を利用しようと検討されました。
花の回廊
2階から6階のエコロジカルガーデンは、 「花の回廊」と名付けていますように、 少し意味あいが違います。 特に建物の外皮にあたる部分については、 吸蜜植物が多いはずなんですが、 先ほどの断面図(図2)で見ていただきましたように、 チョウと野鳥の飛翔、 それからそこから下に下りてくるというルートにしようということです。
光の庭
屋上の環境緑地は「光の庭」と名づけております。 日影の関係とか、 いろいろな土地利用の条件から、 北側によく緑地が置かれるのですが、 屋上にあがると全天光ですので、 これを有効に活かしていくことが検討されました。 屋上の環境緑地は人を拒絶するというよりは、 人の侵入をある程度コントロールして、 野鳥とか生物の楽園にしていこうということになりました。
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