生物については、 特に何が来るかを考慮しておりませんでした。
丸谷:
ですから、 水辺については、 ほっといてもそのうちいろいろでてくるだろうと考えていましたし、 実際、 水を張って1週間もしないうちにアメンボが飛んできたりしていました。
実は、 南側のお隣にアマガエルがいて、 シーズンになると哭いているんです。 ところが5年たっても道路を隔てたこちら側にきていません。
あと、 びっくりしたというか、 困惑したという話で、 とにかく魚が多いんです。 住民や、 近所の人が放つんでしょうが、 だいたい夏のお祭りがすぎたあたりになると金魚がいっぱいになったり、 熱帯魚がしばらくいたこともありました。 蚊もたくさん発生しているんですけれども、 それはどうも池の関係ではなく、 結構あちこちに水がたまるところがあって、 そういうところで蚊が発生しているようです。
水辺の生き物というのは、 あるレベルまではなにもしないでもくるんですが、 問題は種類が非常に限られていて、 そこから先をどう考えていくのかということになると思います。
加茂:
化学薬品で非常にきつい処理のし方をしますと、 バクテリアが死んでしまいますので、 微生物に優しい中水処理の仕方をしています。 その中水を自動散水でまいているので、 すごく栄養価の高い水をまいているということが言えます。 丸谷さんから調査結果をいただいたら、 屋上の土はすごく肥沃な土壌になっているということが分かったのですが、 それには中水利用の影響もあるのかという気がしています。
水中生物について
水の中の生物に対しては、 当初は特に考えておりませんでした。 水について設計のときに考えておりましたのは、 その流し方についてです。 途中で段を設けて、 砂利を敷いて、 濾過して下に流します。 それからゆっくり落として池に流れていきます。 石の間を多孔質にしておいて浸潤させて、 できるだけ水と親和性のある物を作りたいということでした。
いろいろな生物を呼び集めるという意味では、 水が日本では一番簡単です。 屋上に発砲スチロールの容器をおいて水道水を入れておくと、 だいたい1ヶ月もするといろいろな生物が住んでいます。 飛んでくるものもありますし、 胞子だとか卵が風に乗って飛んでくるんじゃないかと思うのですが、 藻類やミジンコがあっという間に住み着いて、 そこに昆虫が住み、 それを食べに小動物がやってくるというような状況になります。
水の中の生物という意味では、 今日は緑地の話が中心でしたのでご紹介しませんでしたが、 アクアループシステムという中水処理システムがNEXT21のもう一つの特徴です。
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