カンプンやヨーロッパの再開発の例は知らなかったので、 今日聞いた範囲での感想ということで聞いていただければと思います。
まず忘れないうちに言っておきたいのが、 今の鳴海先生の正義の話についてです。 私は(6)の「それぞれの価値観に重きを置く正義」のやり方では、 絶対話がまとまらないと思います。 私がつき合った権利者相手では未来永劫、 街づくりはまとまるとは思われません。 私は今まで(1)の「最大多数の最大幸福」でやって来ました。 やはり日本ではこのやり方でないと合意形成は難しいのではないかと思います。
さて、 最初のエリサさんのお話で一番印象に残ったことは、 KIPがカンプンを破壊してしまう行為だというお話です。 破壊するから新しいスラムができてくるのも、 そうだろうと思いました。
小浦さんの報告にあったアマンディエでは、 日本の木賃住宅に似た写真もありましたが、 主としてレンガ造の建物だから修復型でできたのではないか。 建物の構造が日本とは違うと思いながら聞きました。 また、 道路を残しながらの街づくりも、 もともと道路自身に車が通れるだけの幅員があったのだろうと思います。 ハノーバーのリンデルについては、 範囲が広すぎて密集市街地の再生というより都市計画そのものという気がしました。
私はここ2年ほど大阪の鶴橋で13haほどの街づくりに取り組んでいますが、 それと比べると今日の報告はスケールが大きすぎて、 日本とは違いすぎるという印象です。 特にインドネシアのケースは軍隊と一緒にやっているとのことで、 日本の密集市街地への取り組みとはかなり違うと思います。
さらに日本と違う点として、 建物の構造や法律、 特に権利関係が大きいと思います。 行政がどれだけ主体的にできるかという点でも、 随分違うと思います。
報告を聞いて
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