都市案内の研究
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必要な都市案内と不必要な都市案内

後藤祐介

改行マーク今、 復興まちづくりの中で、 ある地区のまちづくり協議会に入って色々な活動をしています。 その中で、 2、 3出ている話をお話ししたいと思います。

改行マーク一つは、 ある地区のまちづくり協議会で、 「あの町の看板、 もう古いよ。 もう全然使われていないよ」という話を、 このあいだ聞きました。 というのも、 震災前の建物が載っていて、 あのビルもこのビルもみんな潰れたということなんです。 あの看板は変えた方がいいのではないかという話が出たときに、 誰が付け替えるのだろうかとなったわけです。 大切な看板なのですが……。

改行マークそれから、 別の地区では町の美装化を目指し舗装を石畳にしています。 そこには、 電信柱が140本ほど立っているのですが、 電信柱に全部広告がついています。 その電信柱を今回全部やり直すのですが、 業者はお金払ってくれる人がいれば、 また看板をつけるといっているわけです。 しかし、 これはいらない都市案内、 汚い都市案内です。 そういうものが資本主義の中で出てくるわけです。

改行マークさらにいえば、 不動産屋さんが旗を立てまくって、 情報(広告)を送っています。 町がつぶされそうな状況です。

改行マーク私は非常に狭い範囲で、 地区計画やまちづくり協定を決めているのですが、 先ほどいったような公共にとって必要な看板が、 お金がないからなかなかつけられないわけです。 ある店にとっては必要なのかもしれませんが、 大部分の人にとっては不必要な都市案内ばかりが増えて、 必要な都市案内が不足しているのではないかと思います。

改行マークそういうような状況の中で、 都市環境デザイン会議としては、 心地よい都市案内はどうあったらよいのかという議論を、 もう少ししていただければと思います。

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