私自身、 感想として思いましたことは、 こういった地図とかガイドを持ってまちを歩こうとする時に、 一体何を求めているのかということです。 例えば、 ある目的地が決まっていてそこへ行きたいという場合に求める情報と、 何となくまちを歩きたいとか、 まちのことを知りたいとか、 目的はあるけれどその場所を発見したいとか、 それぞれそのニーズによって、 求める情報が変わってくると思います。
今日は、 そういった求められている情報を、 求めている人にいかに出すかということを、 色々な切り口から語っていただけたと思います。 その切り口の中に、 都市をどう見ているのかということや、 都市の中の空間をどのように理解するのかということと、 情報の表現や伝え方が関わっていることが示されていたと思います。
移動体である人間が個人的な情報をもらうという心地よさもあり、 また鳴海先生がおっしゃったような「あっちのほうに行けばだいたい盛り場がある」というような共有化された文化的な背景があれば、 まちの全体像さえわかればサインはいらないというようなこともあると思います。
そういった、 場所の経験のようなことも、 何を情報として載せていくのかということと関わっています。 全く知らないところに行くのであれば、 地図とガイドマップという、 少し形式が違うものが、 相互補完的に与えてくれる情報を楽しむということは昔からあったことだと思います。 ただ、 今はカーナビをはじめその時々の即地対応型の情報ガイドがいろいろ出ているようですが、 そのような情報の出し方では都市の全体像はイメージしえるのだろうかと思います。
都市をどう表現するのかということについて、 今日の議論の中からずいぶん教えられることがあったかと思います。
今日は、 長い時間どうもありがとうございました。