HAT神戸・東部新都心に見るマスタープランの役割と課題
左三角
前に 上三角目次へ 三角印次へ

マスタープランへの提案

改行マーク今日の案内の中で、 「デザイン会議方式で建築、 ランドスケープの14事務所が同時に設計に取りかかり……」と、 非常に美しく書いていただいているのですが、 1ヶ月ぐらいの間に基本的な計画を全部まとめなければならないという状況の中で、 お互いに議論するような時間がほとんどなかったというのが実態だったと思います。

改行マークただ、 一つ大きく捉えると、 マスタープランを作って、 それをみんなで各街区に持ち帰ってコラボレーションをしたとも言えなくもないかもしれません。

改行マーク具体的に、 私が関わらさせていただいたあたりからのお話をさせていただきます。

改行マークまず、 最初に95年のお盆休みの少し前あたりに、 公団の住宅建設部門から「マスタープランができているんだが、 どうも納得いかない部分があるので、 とりあえず君ならどういうふうに計画するのかということを1週間程度でまとめてみてくれ」という宿題をいただきました。 その時には中嶋龍彦さんと私が「おのおの思うとおりに描いてみろ」ということでした。 お盆休みに家でしこしことプランニングをいたしました。

改行マークその時に見せていただいたプランは、 完全な囲み型のプランで、 幕張のプランがそのまま灘の浜に再現されたという感じだったのです。 私個人の思いで申しますと、 いわゆるアジアの路地型といいますか、 道を介して形成されてきたまちの歴史から考えて、 いきなり神戸にこういう形の住宅ができる、 まちができるということは、 とても違和感があると感じました。

改行マーク特に、 南側の40m道路との関係の中で、 沿道街並み形成型のものではなくて、 もう少し道に開いていくといいますか、 もっと曖昧な空間を持ち込んだような、 そういう配置がよかろうということを提案した記憶があります。

改行マークもしかすると間違っているかもしれませんが、 市浦都市開発建築コンサルタンツさんでお作りになられた囲み型のマスタープランの上に、 中嶋、 遠藤の提案があって、 その3つの案を色々検討されて、 公団で最終的にまとめられたのが今の案だろうと思います。 この部分には私が提案させていただいた部分も入っているのかな、 という感じの部分もあります。 とにかく、 そういうことで、 今の計画ができあがったわけです。

左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ


このページへのご意見は前田裕資

(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai

JUDIホームページへ

学芸出版社ホームページへ