写真はそれぞれ素晴らしいものですが、 インターネットでお見せするわけにはゆきません。 どうしても必要なものに限って引用させていただき、 他は写真集の何ページの写真かを示しますので、 興味をお持ちの方は是非『うつろいの大和』をご覧いただければと思います。
最初は「高い所から見た眺望の変化」です。 広い眺めですので全体的な変化の状況が良く分かるかと思います。
○写真(p.8)
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奈良坂(入江さんが左、新しい写真が右/出典/『うつろいの大和』(朝日新聞奈良支局編、かもがわ出版、p8)
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これは奈良坂です。 入江さんが左、 新しい写真が右です。 同じアングルで撮られていることがわかると思います。
1950年にはずいぶんすっきりしていますが、 今はいろいろなものがあってごちゃごちゃしています。 五重の塔が向こうに見えますが、 今は大きなビルディングで邪魔されています。
○写真(p.34)
次は奈良山から塔を見たものです。 新しい建物が建っています。
○写真(p.54)
これは奈良公園です。 やはり新しい高いビルで囲まれてしまっています。
○写真(p.36)
次は飛鳥です。 昔の写真には都市化を感じられませんが、 今は田んぼが綺麗になくなっています。
○写真(p.40)
同じく飛鳥です。 このビューポイントは天の香具山です。 昔、 天皇がこの山に登って民の竈から上る煙を見たという有名な伝説が残っているところです。
もし今、 天皇がこの山から見るとすれば、 竈の煙の代わりに遠く工場の煙を見ることになります。
○写真(p.42)
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甘樫丘からの眺め(入江さんが左、新しい写真が右/出典/『うつろいの大和』(朝日新聞奈良支局編、かもがわ出版、p42)
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飛鳥です。 甘樫丘から北を見た眺めです。 池の向こうに高層住宅が建ち並びました。
これは保存地区の指定の様子を示した図です。 左は全体の様子。 左は眺望点からの視角を表しています。 ハッチの部分が保存地区ですが、 保存地区の甘樫丘(図の真ん中あたり)と、 もう一つの保存地区である畝傍山との間に何らの措置もされていませんので、 今の写真のような開発が進みました。
○写真(p.32)
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飛鳥の集落(入江さんが左、新しい写真が右/出典/『うつろいの大和』(朝日新聞奈良支局編、かもがわ出版、p32)
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飛鳥の有名な集落です。 空間構造は変わっていませんが、 家を見ますと屋根が大きく変わっています。
この図は今の写真の眺望点と保存地区の関係を示したものです。 眺めている点も、 集落の方も保存地区に含まれていますが、 民家そのものは保存対象ではなく、 瓦屋根を採用すれば建替えが可能です。 そのため大和棟というこの地方の典型的な家の形が今は失われています。
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