日本の都市における歴史的環境の保存と開発についてお話ししたいと思います。 その前提として、 歴史的環境の保存には大きく二つの考え方があると思います。 一つはオリジナルをそのまま保存する文化財の考え方です。 もう一つは、 改修や新築において、 地域の伝統的な様式や材料、 デザインエレメントを継承・再生することで、 地域の歴史的町並みを再生していくものです。 最近は、 地方都市で、 歴史的要素を生かして地域の活性化やまちのアイデンティティを創造していくまちづくりが見られます。
歴史的環境を考えるもう1つの課題は、 都心です。 日本の場合、 大都市の歴史的都心は、 常に新しい都市機能を受け入れ、 更新を繰り返して成長してきており、 歴史的環境の保全は、 経済的、 社会的要請を背景にした更新の圧力にどのように対応していくかということになります。
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