日本におけるユニバーサルデザインを考える
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公園におけるユニバーサルデザイン

改行マーク最後に公園におけるユニバーサルデザインについてお話ししたいと思います。 もともとロン・メイスが「世の中に必要なものはユニバーサルデザインだ」と言い出したのですが、 ロン・メイスはプロダクツデザイナーでしたので、 プロダクツに関してのユニバーサルデザイン化をきっちりと言っていたわけです。 例えば、 うっかりしたミスで問題が起こらないであるとか、 説明書を読まなくても誰でもが分かる使い方であるとか、 ボタンを押しやすいとか、 そういう基本的な部分がユニバーサルデザインとして必ずクリアーしなければならない条件になっております。

改行マークところが、 公園はプロダクツでもありませんし、 建築でもありませんし、 人工構造物でもありません。 こういう公園にユニバーサルデザインの視点を入れたときにどういったことを考えなければならないのかと言いますと、 これは、 やはり、 人に対するユニバーサルデザインの視点と、 自然に対するユニバーサルデザインの視点の両点が必要になってくるということです。

 

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改行マーク本を作った段階では300人近くの方にインタビューをしたのですが、 それ以後もずっと仕事を続け、 かれこれ500人ぐらいの障害を持っておられる方、 あるいは障害を持っておられる方の家族にインタビューさせていただいてきました。 その中で、 障害を持っていても、 高齢になっても、 人間として当たり前に生きるためのレジャー・レクリエーション空間、 そういうものが公園に欲しいんだと皆さんおっしゃいました。 哀れみや慈悲が欲しいのではない、 みんなと同じように花や緑や自然を楽しみたいんだと、 そういう公園が欲しいと、 皆さん、 ほぼ98%ぐらいまでの方がおっしゃいました。

 

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改行マークですから私たちはユニバーサルデザインは21世紀の高齢社会に向けての公園のホスピタリティーのひとつではないかと思ったのです。 先ほど申しましたように、 ユニバーサルデザインには人間に対する視点と、 自然に対する2つの視点が必要です。 ホスピタリティーというのは強い人間から弱い人間に対しての施しではなく、 要するに相互関係なのです。 もてなす側、 もてなされる側が相互に理解して、 相互に助け合いながら、 共存共栄していく関係です。 そういうホスピタリティーが、 やはりこれからの高齢社会の中での公園に求められるのではないだろうか。

改行マーク自然を視点にした場合、 ハードだけでは成り立ち得ない部分がたくさんあります。 それを補完するのがソフト、 プログラムの問題ではないかと思います。 ハードとソフトが相まって本当に人に優しい公園ができてくるのではないかと考えております。

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