日本におけるユニバーサルデザインを考える
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日本におけるユニバーサルデザイン

改行マークではなぜ私たちがユニバーサルデザインを日本で取り入れることにしたかをお話しさせていただきます。

改行マーク実はユニバーサルデザインを日本でパブリックな形で使ったのは、 私たちが書きました『人にやさしい公園づくり』が初めてです。 1996年に出版しました。 そして昨年のイミダスに初めてユニバーサルデザインが入り、 今年になり2冊ユニバーサルデザインの本がでました。 それ以後、 新聞などでもかなり取り上げられるようになりました。

改行マークではなぜユニバーサルデザインを取り上げざるを得ないのかを、 日本についてお話したいと思います。

 

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高齢者数・障害者数(平成9年度、高齢者白書、障害者白書)
 
改行マーク今日本の高齢化率は1996年現在で15.7%になっています。 障害者の人口比は身体および精神に障害を持っておられる方が約4%くらいです。 15%と4%とで、 その残りつまり81%が、 そういう配慮の必要のないいわゆる健常者です。

改行マークこれが2015年になりますと、 高齢者比率が25%までアップします。 障害者は、 このまま何事もなければ4%である。 そうしますと約30%の人たちが、 何らかの障害を持つということになります。

改行マークこの人口構成比をどのように見たらいいのかと言うことですが、 ふつう7%と14%が高齢者対応の目安にされています。 人口の7%から14%までの期間を高齢化社会と言って、 14%を超えてしまうと高齢社会と言われるのですが、 日本はもうすでに高齢社会です。

改行マークこの7%から14%になるのに、 ヨーロッパではだいたい100年かかったと言われています。 ところが日本の場合は20年そこそこでこの14%をゆうにクリアーしてしまったわけです。

改行マーク一世代、 1 generationが25年だとしますと、 ヨーロッパでは7%から14%にいたるまで4世代の時間があったのです。 その間に町を住み易くしたり、 あるいはいろんなものを開発し、 だんだんと社会資本を整備して、 高齢化社会に対応してきたわけです。

改行マーク日本の場合は一人の人間が頑張って生活しているたったの25年間の間に、 突然高齢社会に入ってしまったわけです。 すなわち、 私たち自身、 私たちの世代がヨーロッパの人たちが4世代をかけて対応した事態に、 たったの一世代で対応しなければならないという、 そういうスピードで高齢社会になっていくと言うことを、 皆さんにご理解いただきたいと思います。

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