実はユニバーサルデザインを日本でパブリックな形で使ったのは、 私たちが書きました『人にやさしい公園づくり』が初めてです。 1996年に出版しました。 そして昨年のイミダスに初めてユニバーサルデザインが入り、 今年になり2冊ユニバーサルデザインの本がでました。 それ以後、 新聞などでもかなり取り上げられるようになりました。
これが2015年になりますと、 高齢者比率が25%までアップします。 障害者は、 このまま何事もなければ4%である。 そうしますと約30%の人たちが、 何らかの障害を持つということになります。
この人口構成比をどのように見たらいいのかと言うことですが、 ふつう7%と14%が高齢者対応の目安にされています。 人口の7%から14%までの期間を高齢化社会と言って、 14%を超えてしまうと高齢社会と言われるのですが、 日本はもうすでに高齢社会です。
この7%から14%になるのに、 ヨーロッパではだいたい100年かかったと言われています。 ところが日本の場合は20年そこそこでこの14%をゆうにクリアーしてしまったわけです。
一世代、 1 generationが25年だとしますと、 ヨーロッパでは7%から14%にいたるまで4世代の時間があったのです。 その間に町を住み易くしたり、 あるいはいろんなものを開発し、 だんだんと社会資本を整備して、 高齢化社会に対応してきたわけです。
日本の場合は一人の人間が頑張って生活しているたったの25年間の間に、 突然高齢社会に入ってしまったわけです。 すなわち、 私たち自身、 私たちの世代がヨーロッパの人たちが4世代をかけて対応した事態に、 たったの一世代で対応しなければならないという、 そういうスピードで高齢社会になっていくと言うことを、 皆さんにご理解いただきたいと思います。
日本におけるユニバーサルデザイン
参考文献
ではなぜユニバーサルデザインを取り上げざるを得ないのかを、 日本についてお話したいと思います。
高齢者数・障害者数(平成9年度、高齢者白書、障害者白書)
今日本の高齢化率は1996年現在で15.7%になっています。 障害者の人口比は身体および精神に障害を持っておられる方が約4%くらいです。 15%と4%とで、 その残りつまり81%が、 そういう配慮の必要のないいわゆる健常者です。
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