the Urban Enviornment Design Seminar, Yogyakarta & Bali
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コタ・グデの道路は何故あんなに細いのでしょうか?

井口勝文

(竹中工務店)

 コタ・グデの住宅地の道路は牛が通るには狭すぎる。 だから荷車などはとうてい通れない。 人一人すれ違えればよしとされている。 周りに土地が無いというわけでもないのにどうしてこんなに狭くしてしまったのでしょうか。
 こんなに道が細くては家の構えが(つまりファサードが)全く見えない。 だから通りに面してはファサードと言えるほど意図されたファサードは、 存在しない。 ただ平板な壁が続いているだけです。 ファサードが楽しめるのは門を入って庭先の路地を歩く時。 そこではプンドポ、 ダルムの素晴らしいファサードと空間を体験することになります。
 ここでは空間の主役は庭先の路地なのでしょう。 そこに至る道路はただの通路。 都市空間の一つとして積極的に意識されているとは思えません。 だから珍しくはあってもそれ以上の魅力、 造形的な奥行きには乏しい、 ということになります。 イタリアの街路とはその位置づけが違うようです。 イタリアで体験される素晴らしい都市空間の魅力と比較するとすれば、 それはこの道路と比較するよりも庭先の路地と比較するほうが意味があるでしょう。
 それにしてもここの道路は何故あんなに細いのか。 意味の弱いものには多くを与えないという、 ただそれだけのことでしょうか?。

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