前に 目次へ 次へバリの女性は神事に忙しい(1)
辻本智子
(環境デザイン研究所)
一人旅で長期旅行というのが私の本来のスタイルである。 しかし、 今回はセミナーに最初から参加するつもりが、 仕事が仕上がらずバリだけになってしまった。 私は10年前ジャカルタにいったことはあったが、 バリはまだ行ったことがなかった。 飛行機に乗るまで徹夜で仕事をし、 乗り込んだ飛行機にはなぜかギャルではなく同窓会・テニスサークルのお友達グループのおばさま方がいっぱいいた。 そんなおばさま方の元気な話声を子守歌に私は飛行中、 食事の時間以外ずーっと眠っていた。
デンバサールの空港へホテルの人が迎えに来てくれたが、 ウブッドのホテルまで2時間もかかってしまった。 この人は「この道でいいのかな」と思ってからもなぜかゆっくり走り、 行き止まりまで行く癖があるようで、 3回も同じことを繰り返した。 最初にゆっくりの走りになった時、 私は道を間違っているのではという気がしたが、 「いいじゃないの」とバリ風に寛大な気持ちで居眠っていた。
ホテルに着くと宮前氏が食事も取らずに待ってくれていた。 適当に食事をし、 さらに2人で飲んでいると周りに人もいなくなり、 レストランを出てコテッジで飲もうということになった。 宮前氏はコッテジは田んぼの中にあると言う。 真っ暗な田んぼの中の私の部屋を見つけるのに30分近くかかるほど大変だった。 「バリのリゾートは10年前のユニトピアささやまと同じか?」と思ってしまった。
バリへ1日早く着いた宮前氏は高級リゾートに一泊し、 その様子をデジタルカメラで取り、 奥さんにメールで送ったと言う。 「このコテッジではインターホーンで電話がないのでメールも送れない」とか「世界共通の携帯電話になると送れるね」等なんやかんや業界の話をしているうちに朝の6時になっていた。 やはり、 飛行機で寝ていたせいか私は元気で宮前氏には悪いようであった。
ホテルの人の庭仕事の音で目がさめたのが10時であった。 夜暗い時に自分の部屋へ入ったのでフロントが何処にあるか、 レストランが何処にあるかまったくわからない。