新アテネ憲章の序説に「大御所の時代ではない」と書いてあります。 また、 どなたかが「新アテネ憲章ではどんな仕事をしたらいいのかよく分からない」と言われたように、 プロジェクトがはっきりしていないのが、 今回の新アテネ憲章の特徴だと思うのです。 旧アテネ憲章は、 その点は明快でした。 大御所がいて、 はっきりした事業になっていたのが旧アテネ憲章の世界です。
ところが、 新アテネ憲章では「大御所もプロジェクトもいらない」と言っています。 では何を提案しているのかというと「ローカル」と「専門家の連携」です。 それぞれの地域でネットワークを作りながらじわじわ仕事をしなさいというわけで、 小林さんがされているようなネットワーク型まちづくりのことを言っているようです。
大御所がいないかわりに、 建築家もプランナーもローカルな場所にたくさんいて連携しながら仕事を進めるというやり方です。 深く読みとると「都市が存続する限り、 都市計画家は存在する」ということになるのでしょうか。 よく読むと、 職能を支える書き方をしていて、 いろんな専門家が連携してじわじわ都市を攻めていく構造になっているように思います。 ひょっとしたら、 「都市計画家にはたくさん仕事があるぞ」という戦略かもしれません。
今日のセミナーは、 今後の議論につながりそうなテーマがたくさんありましたので、 非常に成果があったと思います。 どうもありがとうございました。 これで終わります。