ルーフスケープ(屋根並み)について
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日本の街でどう解くか

改行マークでは、 日本の街の高層建築の場合、 どうしたら親空性や親街路性を具現化し、 全体を秩序づけられるのでしょうか。 日本の空にふさわしく、 多様に変化する四季を受け止められるスケール感や材料が重要な要素になるでしょう。 「小さな屋根がいい」という声はたぶんそういう感覚を反映しているのだと思います。

改行マークだから、 現代の街においては、 瓦屋根である必要はないと僕は考えています。 むしろ、 メタルやガラスなどの材質が良いと思います。 高層のビルの上にガラスのペントハウスがあったら、 とてもいいシルエットになるだろうと思います。 また、 一時期の工場群のノコギリ屋根も、 形だけで言えば、 時代を反映したルーフスケープだっただろうと思います。

改行マーク鳴海先生もよくおっしゃていましたが、 日本の家には2階に洗濯物干場があってそれがつながっていた風景があり、 それが日本のルーフスケープであり、 街路景観になっていたのです。 こうした空と道とつき合う方法、 「親空性」と「親街路性」がルーフスケープのテーマではないかと考えています。 自然と応答し、 日本人の持つ感覚を生かしながら、 暮らしや生活の中でルーフスケープを解決していくことが重要なんだと思います。

改行マークしたがって、 くりかえしますが、 必ずしも勾配屋根にこだわる必要は全くない。 また、 単純にいろんな形があるからと言って、 だから混乱しているとも言い切れません。 どういう思いがそこに込められているかという、 その質の問題が基本的なことです。 揃えるだけでなく、 例えば高い低いの差があるのもリズミカルな心地よさになる場合があります。 イタリアにサン・ジミニアーノという有名な塔の街がありますが、 あの細い塔が繰り返し現われる景観が日本人に人気があるように、 様々な形のある風景も日本人は好きなんだと思うのです。 全部を勾配屋根で整えたり、 全部を大屋根にしてしまうのではなく、 空と道とつき合うためには様々な場所にふさわしい特性は何かと考えることの方が大事だと思います。

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