ルーフスケープ(屋根並み)について
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親空性と親街路性

改行マークでは、 現代都市でルーフスケープを構成するための重要な要素とは何か。 僕が言いたいのは「親空性」と「親街路性」の二つの視点です。

改行マークよく親水性と言いますが、 ルーフスケープを考える上で重要な要素として、 空と親しむ、 あるいは空と応答する「親空性」をまず挙げたい。 空は自然や四季の特性を現わし、 場所ごとにその表情も違います。 いかに空とつき合うかが、 親空性ということです。 建物の背景の空は、 朝日なのか夕日なのか、 あるいは太平洋の空なのか日本海の空なのか、 それらはすべて変化し、 異なるものです。 空と応答しながら考え、 場所の特性を具現化することを親空性と考えています。

改行マーク「親空性」がどちらかと言えば、 自然との関わりであるのに対し、 「親街路性」は社会との関わりと言えましょう。 人は歩きながら建物の、 あるいは建物群のシルエットを、 その結果、 まちを見るわけで、 街路=社会と言ってもいいでしょう。 自然と社会にいかにつき合っていけるのかが、 ルーフスケープを考えるときの重要な視点だと思います。 それは決して勾配屋根に揃えることだけで解けるものではないだろうということなのです。

改行マーク単純な例で言うと、 アムステルダムの街は建物の屋根面はあまり見えず、 破風のつながりが空や道、 街との良い関係を見せています。 おそらくそれを真似たのが先ほどの例に出た「大曽根モール」で、 妻型にして統一した景観にしようということでしょう。 ただ日本人は破風を見せることがあまり好きじゃない。 超高層の建物に三角形のシルエットが欲しい場合でも、 それがマスとしての屋根ではなく、 破風のようになっていたら落ち着かないと、 特に建築をやっている人たちは、 考えるようです。

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