若者が取り組む都市環境デザイン
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行政の役割(市町村の場合)

脇田

改行マーク今日は自治体が都市環境デザインにどのように関わっているかを、 全体的にお話しします。

改行マーク都市環境デザインにおける自治体の仕事は、 大きく三つ挙げられます。 まず1番目は、 都市計画等の作成によって都市の将来像を描くということです。 次が都市のインフラストラクチャー(都市基盤)の必要性を検討したり、 位置を決めたり、 建設することを自ら行うことです。 3つ目は、 インフラストラクチャーが骨格とすれば、 肉付けをしていくのが民間の土地になるわけですが、 そういった土地や建物などに対して指導をしたり支援をしたりすることです。


都市の将来像を描く

改行マーク都市の将来像については、 どの自治体も地方自治法の基本構想を受けて基本計画を作成しているようです。 名古屋市ではおよそ10年おきに新たな基本計画を作っています。 このなかでどういう市の施策を行っていくかを方向付けます。

改行マーク基本計画に基づいて、 都市計画によって個々の道路や鉄道(名古屋の場合、 地下鉄になりますが)といった都市施設を、 どういった所に配置するかを決めたり、 市街化区域内では用途地域を定めます。 例えば商業地域、 住居地域、 工業地域といった色分けをします。 これは各都市がそれぞれの地域の土地利用をどういう方向にもっていきたいかを都市計画図で表現し、 土地利用を誘導しようというものです。

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用途地域図部分
改行マークそれぞれの用途地域では、 建築可能な建物や建築不可能な建物が都市計画と建築基準法で決められています。 また市街化区域とは法律上は「10年後までに計画的に市街化すべき」とされている区域で、 逆に市街化しないでおこうという区域は市街化調整区域と呼ばれています。


都市施設の整備

改行マークこれは道路や河川や公園や鉄道など、 計画された都市施設を実際に造っていく仕事です。

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都市計画道路及び都市計画公園配置図部分
改行マーク例えば、 名古屋では計画された高速道路が一部まだ出来ておりませんので、 そういった部分を順次つくっていくという仕事です。 また、 名古屋の都心には堀川という生活排水で汚れた運河があるのですが、 そういう川を浄化するための整備を進めています。


指導と支援・補助

改行マーク名古屋は郊外の区画整理が非常に盛んな土地柄です。 地元の方々が行う区画整理の指導をしたり、 支援したりといったことをしています。

改行マークまた、 建築物に関しては構造のチェックや、 超高層の建築物であれば災害時の安全な避難経路、 あるいは建物の用途が用途地域にあっているかどうかなどをチェックしています。 例えば、 住居地域に「工場などの危険な建物」や「超高層の建物」を建てたいと建主が申請を出してきても法律に合わないものは建てさせないということです。

改行マーク私は現在、 再開発の部署におりますが、 再開発では補助金を打つという仕事があります。 市街地の中心部では、 防災のための建物の不燃化や土地利用の共同化を進めていますが、 そういう目的に叶う建物に対しては補助金を出して奨励しています。

改行マークまた名古屋にも歴史的な建築物が何ヶ所か残っています。 例えば有松には江戸時代の町並みがあり、 名古屋城に近い白壁には明治から昭和初期にかけての洋館がいくつか残っています。 そういう所を町並み保存地区などに指定して、 修繕費用などを補助していくことも仕事です。

改行マーク以上、 大きく言うと、 「都市の将来像を描く」、 「インフラストラクチャーの整備」、 「民間の土地・建物に対する指導と支援」、 この3つが都市環境デザインに関する行政の仕事になるかと思います。

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