今日は自治体が都市環境デザインにどのように関わっているかを、 全体的にお話しします。
都市環境デザインにおける自治体の仕事は、 大きく三つ挙げられます。 まず1番目は、 都市計画等の作成によって都市の将来像を描くということです。 次が都市のインフラストラクチャー(都市基盤)の必要性を検討したり、 位置を決めたり、 建設することを自ら行うことです。 3つ目は、 インフラストラクチャーが骨格とすれば、 肉付けをしていくのが民間の土地になるわけですが、 そういった土地や建物などに対して指導をしたり支援をしたりすることです。行政の役割(市町村の場合)
用途地域図部分 |
都市施設の整備
これは道路や河川や公園や鉄道など、 計画された都市施設を実際に造っていく仕事です。
都市計画道路及び都市計画公園配置図部分 |
また、 建築物に関しては構造のチェックや、 超高層の建築物であれば災害時の安全な避難経路、 あるいは建物の用途が用途地域にあっているかどうかなどをチェックしています。 例えば、 住居地域に「工場などの危険な建物」や「超高層の建物」を建てたいと建主が申請を出してきても法律に合わないものは建てさせないということです。
私は現在、 再開発の部署におりますが、 再開発では補助金を打つという仕事があります。 市街地の中心部では、 防災のための建物の不燃化や土地利用の共同化を進めていますが、 そういう目的に叶う建物に対しては補助金を出して奨励しています。
また名古屋にも歴史的な建築物が何ヶ所か残っています。 例えば有松には江戸時代の町並みがあり、 名古屋城に近い白壁には明治から昭和初期にかけての洋館がいくつか残っています。 そういう所を町並み保存地区などに指定して、 修繕費用などを補助していくことも仕事です。
以上、 大きく言うと、 「都市の将来像を描く」、 「インフラストラクチャーの整備」、 「民間の土地・建物に対する指導と支援」、 この3つが都市環境デザインに関する行政の仕事になるかと思います。
指導と支援・補助
名古屋は郊外の区画整理が非常に盛んな土地柄です。 地元の方々が行う区画整理の指導をしたり、 支援したりといったことをしています。
このページへのご意見は前田裕資へ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai
学芸出版社ホームページへ