しかし、将来、都市環境デザインは存在するのであろうか。次にそのことを感じた。これまでは、JUDIの先達たちを追ってきたが、我々の時代は明らかにまた異なる時代になるであろう。我々に仕事があるだろうか、先達がそうであったように、新たなスタイルと仕事を創っていかなければならないことは確かである。バブルの時に学生だった我々は、「景観」や「都市像」といったテーマに惹かれた。当時はおもしろい仕事で食っていけると明るく感じていたが、気づくとそうはいかない。社会が都市環境デザインに期待することも変わってきた。報告者それぞれもこの数年の間に、個々の技術をいかして個性を発揮するようになっている。同時代でも、人間を介した空間や景観のおもしろさを感じる人、また人的ネットワークやまちづくり組織に力を入れる人がいる。実際にはこの2つが入り交じり仕事をしているが、こうした細かい専門分化と、同時にさらなるコーディネイト力も求められる時代が見える。
いずれにしても今回の参加者は、誰もが各々の立場や専門のなかで、既成の仕事ではない、新たな領域の仕事を模索している。その詮索への欲求が随所でみられた。その欲求の集まりが形になっていくのがこれからの楽しみだ。この多彩な分野の人同志によるコラボレーションのなかで、きっと新たな領域ができていくような予感がした。それは都市環境デザインではないかもしれない。それは先達ではなく、我々の新たなネットワークが見つけていくものだ。