これまでの用途純化といった都市計画の考え方が、 新アテネ憲章でみるように、 多面的な都市であるとか、 複合的な都市といった方向に変わっています。 中心市街地をどう構成していくのかという意味でも、 20世紀型とは違った都市のあり方が模索されてきていると思います。
それは一方では、 サスティナブルシティ(持続可能なまちづくり)という大きな枠組みと関わってくると思います。 人間が生活していく中でどうしても消費する、 何らかの形で外部化していくわけですが、 その人間の生活と活動の場である都市(まち)を、 より持続可能なものにするにはどうしたら良いのか、 という視点から考えていく必要があります。 これはコンパクトな市街地の形成の必要性とも関わっています。
それでは、 島さんには徳島のTMOのお話をおうかがいしたいと思います。 これからTMOがどう機能するのかということが、 重要な課題であろうと私は思いますが、 その場合、 どれだけの市民をどう巻き込むことができるのかも一つの勝負だろうと思っています。 しかしTMOは、 まずは商店街の方のモチベーション、 やる気がないとうまくいかないということも確かなことで、 その辺りの問題も含めてお話しいただければと思います。
それから、 有光さんの都市再開発事業の話については、 これもまた色々な議論があるかと思います。 例えば、 鳴海先生が挙げられた制度的事業優先のまちづくりの最たるものとして都市再開発事業があります。 右肩上がりの経済を前提とした都市再開発事業が、 今後、 中心市街地活性化の事業の中でどういうふうに機能していくのかについて、 有光さんの経験も踏まえてもう少しつめていただければと思っております。
6。 サスティナブルシティと中心市街地活性化
大谷英人
20世紀のサラリーマン都市が、 どんどん拡大してきたわけですが、 今後21世紀に我々はどういう都市に向かうのか。 これは我々が中心市街地をどうするのかと関わっていると思います。 それは、 ヨーロッパ的か、 アメリカ型かという鳴海先生の問題提起とも重なる部分があるかと思います。
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