中心市街地は人が集まることが楽しいという場所でした。 人がそういうものを求め、 そういうものとしてまちを位置づけてきたわけです。 先ほど紹介したヨーロッパの例ですと、 既にあるまちが魅力的だと彼らは信じているわけです。 だから、 その良さを守っていきたいと言っています。 それが彼らの21世紀の都市像です。
では、 日本の中心市街地は本当にそれだけの魅力があるかというと、 あるまちもあるかもしれませんが、 大多数にはありません。 だから、 テーマパーク的に整備する方がいいかも分かりません。 中心市街地にはテーマパークにはない機能がたくさんあります。 そういったものを改めてテーマパークに埋め込んでいくよりも、 既にあるまちをテーマパークに近いものにした方が楽しいという、 そういう戦略があります。
だから、 先ほどの黒壁の話は、 ちょっと言い過ぎかもしれませんが、 テーマパークをつくろうとしているのではないかと思います。 テーマパークづくりが、 一種、 良いことではないのか、 という気がします。
4。 テーマパークのまちづくりも良いのでは?
鳴海邦碩
震災のあとで、 神戸の少年事件があり、 いろんな人が郊外批判を言い出しました。 サラリーマン都市と先ほどいいましたが、 そういった批判の対象であるサラリーマン都市には世界中で何億人と住んでいます。 この広大な郊外都市はなくなりません。 ひとつのタイプのまちとして存続しつづけると思います。 郊外が嫌われ中心市街地に人が自然にもどり中心市街地が活性化するという流れに多くは期待できないのです。 ですから、 中心市街地には色々な問題があるということを前提に、 次の時代はどうなっていくのかを考えなければならないと思います。
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