時事往来12
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都心回帰と分散が同時進行

アメリカ

 
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アメリカ人の居住地動向
 
改行マーク1980年代後半から1990年にかけては、 それまで港区、 千代田区など都心に集中していた人口が、 ゆるやかに増加しながら世田谷区、 渋谷区、 目黒区といった西側に伸びる現象がみられた*2。 要因として、 バブル景気による家賃の高騰が、 外国人の居住地を外側へ押し出す現象を招いているという不動産関係者の話が聞かれた。 また、 アメリカ人をはじめとする欧米出身者には、 外資系企業の駐在社員や国際業務に関わる専門職、 教授・技術者、 語学教師などの就労ビザで入国するホワイトカラーとその家族が占める割合が高く、 居住環境、 子どもの教育環境(母国語学校の立地)、 交通アクセスなどを考慮して、 山の手から西方面にかけての地域を選択しているからだと推察された。

改行マークその後の1992年と1997年を比較してみると、 1都3県エリアでの登録者数は25,543人から25,434人と漸減している。 内訳をみると、 東京都はゆるやかに減
 少している一方で、 周辺県は逆に増加傾向を示している。 しかし、 全体として減っている東京都の中で、 中央と港の都心2区だけは、 アメリカ人人口(実数)と全人口に占めるアメリカ人人口の割合(人口比率)がともに上昇している。 特に港区では、 人口比率は2.3%、 都内アメリカ人の22%を超える3,700人が居住しており、 周辺県へ人口が分散している一方で、 都心回帰の現象も発生していることが分かる。

 注:
*2 『住宅時事往来』NO. 1〜5、 1992〜1993年。
外国人居住研究会『東京における外国人居住者の住まいと住環境に関する研究(その1)』住宅総合研究財団、 1992年

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