まち居住研究会回覧板
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9月5日から5日間ニューヨークに滞在し、 エスニックコミュニティを見学してきました。 エンパイアステイトビルのすぐ南側にある、 5番街とブロードウェイの間の「リトルコリア」を歩きました。 この32丁目辺りにはビルの上の方までコリアンビジネスが広がっていて、 新宿職安通りの景観とよく似ています。 ハングル表記に混じってカタカナで「カラオケ」の看板もあり、 レストランのメニューには焼き肉と寿司が並んでいます。 寿司はエスニックな食べ物として定着しつつありますが、 寿司店の経営者は必ずしも日系人とは限らないようです。 スーパーマーケットに入ると入り口には無料の日本語新聞があり、 韓国からの食品と合わせて日本製品もかなり揃っていました。 今回、 この地域について深く知ることはできませんでしたが、 アメリカの中での日韓交流のようなものが感じられました。
他にチャイナタウンやヒスパニック系の地域などを駆け足でまわり、 10日にシカゴへと移動しました。 都市周辺部で、 市の歴史街区にも程近いシカゴの南側にもチャイナタウンが形成されています。 このまちは商業施設だけでなく、 小学校や図書館がよく整備されていました。 ここからさらに中心街まで行き、 シアーズタワーの展望室へと向かいました。 エレベーターのドアが開いた瞬間、 窓一面の光のまばゆさに息を飲みます。 街の灯りが想像を絶するような明るさで目に飛び込んできて、 間近には先ほどまでいたチャイナタウンが見えていました。
この界隈は伝統的に「共生」をシンボルとする地区なので、 ここ2年ほどいわゆる「二重刑」に対する反対運動が外国人支援団体などによって強まっています。 二重刑というのは、 刑法違反で逮捕され禁錮の刑をきちんと務めた後、 外国人が退去強制されることで、 この現実に対して人権侵害が起きているのではないかという疑問が生じているのです。 リヨン市の外国人グループが去年、 2ヶ月間のハンガーストライキを起こすまでに至りました。 有名な映画監督が彼らの闘いに関するドキュメンタリーを制作し、 国内で話題になっています。
まもなくラマダンの断食が終わるということで、 隣のアラビア街では大きな祭りが行われます。 そして、 この年末のクリスマス・イルミネーションでまちの教会がひときわ美しく見えてきます。 まち居住関係者のみなさん、 よいお年を!
編集後記=1年ぶりに第7号をお届けします。 今年も充実した研究活動を展開できました。 そのなかからいくつかをピックアップしてお伝えします。 なお、 秋には事務局が20メートルほど移転しました(TELとFAXは変わりません)。 明るい雰囲気の空間になりましたので、 飯田橋に来訪の折りにはぜひお寄りください。 来年もよろしくお願いします!
http://web. kyoto-inet. or. jp/org/gakugei/kanren/gaikoku/index. htm
■大久保に神戸のそばめし登場!
大久保まつり そばめしコーナー
■米国エスニックコミュニティにふれる旅
ニューヨークのリトルコリア
シカゴのチャイナタウン
*研究会メンバーの渡戸一郎さんと山本重幸さんのレポートです。
■ドロテーさんのフランスリヨンだより
私の住んでいる界隈は、 20世紀に入ってから多くの移民労働者が生活しに来ているリヨン市内で一番大きい「庶民のまち」です。 先駆者のイタリア系が経営する電気店や自動車修理工場、 トルコ式浴場やイスラム教に従う肉屋さんが並んでいる「アラビア街」、 アジア系が営むきらきらネオンの食料品店やレストランの「中華街」、 最近、 開店しつつあるアフロ系の美容院など、 それぞれが個性的でカラフルなミニ地球を構成しています。
■まち居住通信no.7
発行=2001年12月25日
編集・発行=まち居住研究会(ジオ・プランニング内)
TEL.03-3238-0574 FAX.03-3238-7878
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*本紙内容の無断転載を禁じます。
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