女性のまちづくり研究会
左三角
前に 上三角目次へ 三角印次へ

 

3.アンケートまとめ

 
改行マークアンケートの回答者は、 10〜70代の女性中心で1/3が学生・仕事をもつ人で、 回答者の中心層は30〜40代ファミリー層である。

改行マーク利用状況では、 地元の本町・千里園地区、 その他の地区とも買い物と銀行が中心となっており、 次いで食事の利用も多い。 買い物の頻度は当然であるが地元が多く、 地元の多くの人は週に一回以上は駅前地域の商業施設を利用している。

改行マーク買い物の品目では、 生鮮食品、 加工食品、 日用雑貨、 薬・化粧品、 文房具、 家電製品の利用が多く、 婦人洋品、 男子洋品、 子供服、 靴・履物の利用が少ない。

改行マーク商品の満足度では、 家電製品以外はすべての項目において不満が満足を上回っている。 特に不満が多いのは、 婦人・男子洋品、 子供服、 靴であり、 本,食事関係も不満な人が多い。 利用頻度の高い加工食品、 生鮮、 日用雑貨、 薬・化粧は普通と感じている人が半数である。

画像02
商品の品目別満足度

改行マーク不満の理由の主なものは「商品が少ない」「センスが悪い」「ウインドーショッピングができない」である。 また、 地域の構造的な問題であるアクセスの悪さ(道路の混雑、 駐車場不足)も不満の理由に指摘されている。 今後の商業の業種展開はこの地域の商業をいかに位置付けるにかかっているが、 大型スーパーや商品の豊かさなどが求められているように、 日常買回り品の商品の豊富さ(多品種、 新製品、 付加価値の有るもの、 名産品・)や安価なものに魅力があるようだ。

改行マーク欲しい商業施設は、 商品で不満度が高かった飲食関係、 大型本屋、 大型店舗や趣味・教養関係の店舗が中心である。 都心でなくても近くで奥様ランチを楽しみたい層が多く、 レストランを望む声が多くい。 おいしさ、 ゆったりとできる、 気軽さ、 子連れの入りやすい雰囲気などの条件を持ったものや各国料理など特色のあるレストランが望まれている。 また気軽に入れるファーストフードショップやカフェテラスも望まれている。 現状でも飲食利用はある程度あるものの消費者の希望があることはまだまだ不十分と考えられている証拠で、 それ自体が目的となる、 あるいはまちに滞留しやすいしかけともなるような飲食施設を設置することによりまちの魅力は向上するのではないかと考えられる。 また、 大型店舗に関しては、 商品の充実と先進的な情報の提供、 より安くといった希望が背後にあると考えられる。 おしゃれで行動力があり、 知的好奇心に溢れた住民がかつてから多いこの地域では、 大型本屋、 パソコン、 クラフトや趣味のための大型店舗、 おしゃれなブティックを望んでいる。 特に本屋に対する希望は多数あった。 さらに、 高感度名子連れママ、 パパが多くなっているため、 この地域に不足している子供服屋、 おもちゃ屋や子連れで気がねのない店や託児つき店舗を望む声もあった。

さらに若者向け店舗の要望もみられた。

改行マーク望む施設では、 公園緑地(票率70%)がかなり多く、 現在の緑の不足、 広場等の狭さの反映とやはり都市部にも緑のアメニティが望まれていること、 商業地域でのくつろぎの場の必要性が表われている。 また、 図書館、 映画館、 カルチャーセンター、 美術館など知的に遊ぶ施設ともいうことのできるものが望まれている。

画像02
欲しい商業施設

画像02
豊中駅前にあれば良いと思う施設(重複回答、 母数150)

改行マーク高齢者の利用に関していえば、 現状では83%の人が利用しにくいとしているものの市場に代表される対面式の人情味溢れた臨機応変の商業形態は一方で支持できるものであるようだ。 しかし、 現状の歩道の挟溢、 段差、 自転車の氾濫は特に高齢者には歩く環境としては厳しく、 歩きやすい歩道、 休憩施設、 案内、 トイレ、 サポート施設が必要と感じられている。

改行マーク子連れの利用者に関しても、 高齢者の場合と同様に91%の人が利用しにくいと感じ、 歩きやすい歩道、 休憩施設、 トイレ、 サポート施設が必要と感じられている他、 遊び場やファミリーで楽しめる場所が望まれている。

改行マークワーキングマザーの利用は、 駅前というアクセシビリティーや商業の集積が支持されているが、 営業時間の短さがその行動時間に合っていないこと、 たくさんのお店を回らないと買い物が揃わないこと、 惣菜類やセット食材など調理の手間の軽減をはかる商品をもっと豊富に欲しいことなどの不満があげられている。 また、 より便利に生活をサポートしてくれる駅前託児施設、 生活・育児情報インフォメーションや一箇所で買い物がしやすい大型スーパーなどが望まれている。

改行マーク宅配については、 重いもの利用が中心で高齢化の進行や主婦の勤労者としての社会的要請が高まる中、 もっと充実した複合的な展開も考えられるかもしれない。

改行マーク地区に対するイメージについては、 「ごちゃごちゃした」「危険」「つまらない」「ダサイ」「汚い」「暗い」といったマイナスイメージが多く、 これをふっ拭し「より便利に」「伝統の良さ」を残したまちづくりをする方向性をもつ必要があろう。

画像05
駅前にもつイメージ(重複回答、 母数150)

改行マークまちづくりに興味がある人は、 74%と高いが、 まちづくりに参加したいかとなると地元(本町・千里園居住者)では、 参加したいが17%、 参加したくないが56%。 他地区では、 参加したいが36%、 参加したくないが44%となった。 どちらもまちづくりに興味のある人は多いが、 参加となると二の足を踏む人が多くなる。 特に地元は、 多様なしがらみ、 問題点がより見えるためか、 どうせ市民の意見は通らないという諦めも感じている人もあり、 参加意向が他地域に比べ低くなっているようだ。 「自分たちのまちを良くするのは自分たち」の意識がまちづくりには大切であり、 今後どうやってこの意識を広めていくかが課題である。

左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ


このページへのご意見は女性のまちづくり研究会

学芸出版社ホームページへ