しかし、 国・県・市など関係機関や多くの方々のご助力、 ご支援により2年後の1997年1月、 復旧工事と残工事を成し遂げ、 竣工した。 現在開設後1年4か月を迎え、 法人理念である「人権を守る」「民主的運営」の具体化と定礎に刻んだ「福祉は文化」の実現に多くの市民の方々とともに歩みを進めている。
被災当時、 建物被害とあわせて非常に困ったのは、 その時点で既に40人の職員の採用が決定していたことである。 現地を見せ、 職員に今後の去就を問うと一人を除いて全員が再建を待つと言い、 法人はこれら職員の仕事の確保にもせまられることになった。
間もなく、 仮設住宅の建設が盛んに報じられるようになったとき、 ケアを要する障害者・高齢者には住み慣れた地域の中に「仮設のグループホームが必要だ」と直感した。 これまでにスウェーデンのグループホームをいくつも見ていたからである。 6人位の少人数でそれぞれ個室を持ちながら協同で住み、 専門スタッフが24時間のケアにあたる家庭的な住まいは実に魅力的であった。
震災直後の1月末から兵庫県や芦屋市・尼崎市にグループホーム形式で24時間ケア付きの仮設住宅の建設を提案し続けた。 そして専門職を含む「あしや喜楽苑」の40人の職員をそこへ配置して欲しいとあわせてお願いした。
兵庫県と芦屋市の素早い対応を得て95年4月、 被災地のトップをきって芦屋市が「高齢者・障害者向け地域型仮設住宅(グループホームケア型)=俗称―ケア付き仮設住宅(以下ケア付き仮設と表現)」4棟を呉川町・高浜町に開設、 その運営を当法人に委託した。
1 はじめに
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