育てる環境とコミュニティ

南芦屋浜災害復興公営住宅の試み

南芦屋浜コミュニティ・アート実行委員会

 

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貴方は人目(98.12.10〜)の訪問者です。


 震災から3年、埋め立てが終わったばかりの南芦屋浜に忽然と現れた814戸の住宅。誰もが期日までの完成を信じられなかったほどの、短期間で成し遂げた工事だ。しかしそこにはコンクリートも集合住宅もはじめてという多くの高齢者が入居する。
 地震で家を失い、ようやくできた仮設住宅の仲間達ともはなれ、慣れない鉄の扉の中に閉じこもって、孤独死するような人が出てはならない。より積極的にコミュニティを育む仕掛けを事前につくれないものか。そんな思いから、入居予定者への事前のワークショップと、住民と触れあいながら作り上げてゆくアートワークに取り組んだ。それがコミュニティ&アート計画だ。
 この試みが成功したかどうかは、まだ分からない。しかし、震災により顕在化し、私たちの前に立ちはだかった高齢社会という日本の現実への、ささやかであっても、真正面から取り組んだ私たちの解答である。この経験が多くの人に共有され、次の一歩への礎となることを願い、本書を刊行した。

南芦屋浜コミュニティ・アート実行委員会


関連ページ

 都市環境デザイン会議関西ブロックが98年2月に行ったセミナーの記録が下記に掲載されています。
 本書が全体的にバランスのとれた紹介を行っているのにたいして、セミナーではアートとデザインを中心に濃密な議論が行なわれています。
 セミナー記録/育てる環境とコミュニティ

 県立芦屋高校のHPでも紹介されています。
 地域の復興状況を調べよう〜南芦屋浜コミュニティ・アート〜

 アートワーク関連のページ
 南芦屋浜団地アートワーク計画
 南芦屋浜コミュニティ&アート計画

その後の動き

 本書刊行以降の南芦屋浜の動きやプロジェクトへの評価などをぼちぼち掲載してゆきます。
 乞うご期待!


目  次

はじめに

コミュニティ&アート計画概念図

第1編 災害復興公営住宅―事業紹介

第1章 災害復興公営住宅と公団の役割

  1. 災害復興公営住宅への取り組み
  2. 阪神・淡路大震災に係わる災害復興住宅の設計方針

第2章 主なプロジェクト

  1. 復興リーディングプロジェクト――HAT神戸
  2. 官民共同のまちづくり――西宮マリナパークシティ
  3. コレクティブハウジング――尼崎金楽寺ふれあい住宅
  4. シルバーハウジング――ルゼフィール武庫川第2 五番街
  5. ペットの飼える集合住宅――鹿の子台南住宅
  6. 共同再建のこころみ――灘都通4丁目
第2編 南芦屋浜災害復興公営住宅
―企画・計画・設計のプロセス

第3章 南芦屋浜地区のまちづくり

  1. マスタープラン
  2. コミュニティを育む公営住宅

第4章 アーバンデザイン

  1. 配置・住棟構成と景観――開かれた公営住宅
  2. 色彩計画――芦屋らしさの追求

第5章 高齢者にやさしい住棟・住戸の設計

  1. 住棟と住戸
  2. 設  備

第6章 コミュニティを育む屋外設計

  1. 屋外基本設計の概要
  2. コミュニティプラザ
  3. 造成・立体駐車場

第7章 工事監理

第3編 コミュニティ&アート計画

第8章 楽しい暮らしの風景づくり――コミュニティ&アート計画

  1. コミュニティ&アート計画の導入の意味
  2. 計画の目標
  3. 計画の内容
  4. 計画の実施体制

第9章 コミュニティを育む――暮らしのワークショップ

  1. 話のはじまり
  2. 夢の宮殿づくり――第1回ワークショップ
  3. 暮らしの宝物――第2回ワークショップ
  4. 星空の映画会――『瀬戸内ムーンライトセレナーデ』
  5. 現地で一句――第3回ワークショップ
  6. 暮らしの寸劇――第4回ワークショップ
  7. 思い出の植物――第5回ワークショップ
  8. 自治会づくりに向けて――第6回ワークショップ
  9. 額縁写真――第7回ワークショップ
  10. 建設現場見学会――ワークショップ番外編
  11. さいごに

第10章 人と人・人と場の創造的な関係を育む――アートワーク

  1. ね ら い
  2. 管理者との協議、調整
  3. 設計と制作
  4. 作家と施工者との調整
  5. 照明計画
  6. 市民参加型アート
  7. 記  録
  8. ま と め
第4編 コミュニティのはじまり

第11章 南芦屋浜北部地区まちびらき

第12章 アートフェスティバル

  1. ドキュメント展
  2. 楽農まつり

第13章 入居者の声

  1. 新しい住まいで一句
  2. 入居者へのインタビュー

第14章 LSAの取り組み――ケア付き仮設住宅から公営住宅へ

  1. はじめに
  2. 仮設住宅の取り組みと成果
  3. 仮設住宅の終息を迎えて
  4. 仮設住宅からの転居と課題
  5. シルバーハウジングの現状と課題
第5編[座談会]これからのコミュニティづくり
  1. 震災復興と南芦屋浜の公営住宅―その役割と課題
  2. 南芦屋浜のコミュニティづくり
資料編
執筆者

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