HARはる基金

伊藤雅春さん(HQM01065)による
第2回助成先報告

 去る、6月1日、こうべまちづくり会館において「阪神・淡路ルネッサンス・ファンド」の第2回助成公開審査が行われました。第1回助成は、昨年12月1日に11件合計600万円の助成をすることができました。今回の助成の公募には32団体から応募があり、公開による審査の結果16団体に対して合計1,100万円の助成をすることが決まりました。

 阪神・淡路ルネッサンス・ファンドは、被災地における「まち・すまい・くらしの再建」に向けて、住民と行政の適切な協力体制を前提とした「復興まちづくり」を支援するために設立された基金です。

 以下助成対象となった活動についてお知らせします。

  1. 仮設住宅脱出のためのローコストアパートの開発と建設
       150万円
       坂茂建築設計  坂 茂

  2. 魚崎郷から御影郷・西郷へと続く「酒蔵のまち」の復興
       30万円
       灘の酒蔵を復興させる会  中井清志

  3. 住民合意、住民主導と行政支援のまちづくりを目指す
       30万円
       西須磨まちづくり懇談会  宇賀芳樹

  4. 復興支援コミュニティ・デザイン・プロジェクト
       30万円
       コミュニティ・デザイン・チーム  吉田鐡也

  5. ランドスケープの復興支援−阪神グリーンネット−
       100万円
       ランドスケープ復興支援会議  近藤公夫

  6. 復興とまちづくり支援「震災写真記録の現状調査と保全活動」
       60万円
       阪神大震災「震災記録情報センター」  坂本 勇

  7. 北淡町富島地区のまちづくりプラン作成活動
       60万円
       富島を考える会  倉本 佳世子

  8. 震災復興映像記録の製作と上映・普及
       100万円
       野田北部を記録する会  青池憲司

  9. 神戸市東灘区魚崎・甲南地区の復興まちづくりの支援
       60万円
       関西建築家ボランティア  木村博昭

  10. 元住んでいた住民が一日も早く元の生活を取り戻すため
       30万円
       琵琶町復興住民協議会  若林俊夫

  11. 神戸市東部白地地域における復興まちづくり組織の立上げ
       100万円
       神戸市東部白地地域復興支援チーム  後藤祐介

  12. 長田地区の下町のよさを生かした街づくりの懇談会
       30万円
       長田のよさを生かした街づくりの懇談会  水野 武

  13. 住吉地区における住民主体の復興まちづくり支援活動
       60万円
       住吉地区復興支援グループ 吉田祐司

  14. 長田のよさをいかしたコレクティブ(協同居住)なすまい方の応援
       140万円(2団体合同)
       長田・協同居住支援団  上田耕蔵
       ケア付仮設住宅での実践を踏まえ、具体化を図る
       尼崎で協同居住型住宅を実現させる会  市川禮子

  15. 共生の街−神戸アジアタウンの実現−
       60万円
       神戸アジアタウン推進協議会  神田 裕

  16. 真野・立江地区共同建替事例の記録作成と研修活動
       60万円
       真野・東尻池町7丁目立江地区共同建替支援チーム  宮西悠司

⇒助成対象件数合計 16件
 助成金額合計 1,100万円

 応募32団体のうち第1回に引き続き応募した活動は14件、新規の応募は18件でした。

 復興の現場では、仮設住宅の暮らしの長期化や自力で生活再建ができる人と再建の目途の立たない人の二分化など、より困難な問題が明らかになりつつあります。今回の応募にもそのことが表れ、仮設住宅の生活支援に関するものがいくつかありました。

 審査の過程では、都市計画事業区域内の活動に対して助成すべきかどうか、他に助成を受けられる可能性のある活動に対して助成すべきかどうか、比較的大規模な調査・研究企画に対してこの基金として助成すべきかどうかなどが議論となりました。

 わずかな助成額ではありますが、市民によって集められた貴重なお金です。復興のために是非とも必要で、他に公的な支援の得られにくい市民活動に少しでも役に立つことを願って決定された結果です。

 HAR基金では、次回の助成に向けて、引き続き募金活動に取り組んでいます。これまでも全国各地の市民のみなさんや団体・企業の社員のみなさんから心のこもった寄付を頂きました。今後は、地域応援団や企業内応援団の設立を呼びかけて(これまでに横浜市の都筑フォーラムコミュニケーションクラブ、明治生命保険相互会社職員有志の方からの寄付や活動が行われました。)いきたいと思っています。次回には2,000万円程度の助成を目標に募金活動を進めています。引き続きみなさんのご協力をお願いします。

HAR基金ニュース第2号


このページへのご意見は学芸出版社/前田裕資

(c) by 伊藤雅春
学芸出版社 / gakugei

HAR基金ホームページへ
支援ネットワーク関連ページへ
『震災復興まちづくり』ホームページへ
学芸出版社ホームページへ