阪神大震災復興市民まちづくり支援ネットワーク
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閉会のあいさつ

市民まちづくり支援ネットワーク(ジーユー計画研究所) 後藤祐介

 阪神大震災復興市民まちづくり支援ネットワークの世話人として、 最後にご挨拶させていただきます。

 前回もここでご挨拶させていただきましたが、 支援ネットは、 補助金が切れたら終わりという安っぽいものでもなく、 継続性のあるネットワークであると言ったと思います。

 またその時には高見沢先生に「この活動は阪神間のまちづくり文化だ」というエールを送って頂いたと覚えていますが、 たしかに、 行政も大学の先生もコンサルも、 皆が参加してこんな話を日曜日に集まってワイワイやっていると、 これは「無駄」を本来的に含む「文化」以外の何物でもないでしょう。

 それからもう一つ、 私達が熟年になってきた中で、 20代、 30代の方が20人から30人「若手ネット」という形で出てきています。

 この三つは非常に良い事だと前回にもお話させていただきました。

 今、 5年目を迎えました。 この三つのことは健在だと申し上げたいと思います。 こういう会は、 私達が生きている限り、 阪神間にいる限りやっていくということです。 若手ネットもかなり順調に育っていると思います。

 「阪神間のまちづくり文化」については、 高見沢先生のおっしゃった「多様性」という言葉でまとめたいと思います。 経済の発展が壁に突き当たって、 大きいことが良いことではなくなった時代に必要な、 画一的でない多様な価値観を見つけだしていくということです。

 そんな中で、 私もいくつかまちづくりをやっていますが、 それぞれその地域に行って、 他とどれだけ違うことが言えるか、 地域の特性というか個性が出せるかが毎日の勝負です。 そういった意味では複数のまちづくりに携わるということが面白く、 どの地域だろうと隣まちと同じ事は絶対言わない、 という事で頑張っているわけです。

 最近はまた、 まちの中で「新しいものと古いものとが混ざり合う」ということが大事になってきているのではないかと考えています。 東部新都心なんかを見るにつけ、 ああゆう新しいもの、 巨大なものを団体でドンと造ったら、 あとで一気に廃れてしまうんじゃないかと思っています。

 これから5年先、 10年先に向けては「新しい公共」というものを考えていかなければいけないと思います。

 「新しい公共」とは、 行政だけが公共ではなく、 まちづくり協議会などの活動のように、 私達も一部公共らしいことをやり始めているという事です。 行政の方の多くは「なに言うとんねん。 なんの責任もとらんくせに。 責任のもてるまちづくりは行政がやるわい」と思ってらっしゃるかもしれませんが、 私達だって公共の福祉とか皆の幸せのためにと考えてやっているわけです。

 それから大学の先生には、 アンケート調査をしてデータを並べるだけではなくて、 こういう場に出てきて生の話に参加していただきたいと思います。 今日こられていない神戸の大学の先生はどうしておられるのでしょうか。

 今日は「市民まちづくり」というテーマで、 皆さんとこのようにお話できました。 私自身も今まで30年まちづくりをやってきましたが、 「市民まちづくり」は5年で終わるものではなく「継続性」こそキーワードだと思います。 神戸で生きてる限りやっていくんだという気持ちで、 あれこれ決めつけるのでなく多様な価値観の中で皆それぞれ考えながら、 この会を今後5年、 10年と続けていけたらいいと思います。

 最後に、 この阪神間のために遠くからお越しいただいた高見沢先生と越澤先生に感謝の意を込めて、 皆で拍手を送りたいと思います。 どうもありがとうございました。

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