審査の結果、優秀賞3名、審査員特別賞9名が選ばれ、それぞれにふさわしい商品(「復興市民まちづくり」全8巻やフィールドワーク用の写真フィルムなど)が贈呈されました。発表者・論文報告名リスト及び優秀賞の講評は以下の通り。
<発表者一覧>(発表者(所属)、論文・報告名称(1〜6:論文、7〜12:報告))
1.大森高史(筑波大学社会工学系大学院)
「阪神・淡路大震災復旧期における避難住民の物資要望に関する研究−神戸市の避難所を例として」
2.西 嘉和(神戸大学建設学科学生/現三井建設)
「阪神大震災における中小工務店の役割に関する研究」
3.福留邦洋(東京都立大学都市研究所大学院)
「土地・建物の所有形態から見た家屋被害の差異−兵庫区上沢駅周辺を事例として」
4.木下吉樹(大阪府立大学農学部緑地計画/大阪市役所)
「震災火災における緑地の防災効果」
5.藤田紀子(神戸大学建設学科学生/現地域環境計画研究所)
「築地と酒田の復興まちづくりの比較研究」
6.瀬崎昌和(神戸芸術工科大学環境デザイン学科大学院)
「場につくる、場をつくる−神戸被災地の復興計画を通して」
7.井上智之(神戸商科大学大学院)
「ケミカルシューズ産業集積の再編」
8.林 陽平(大阪大学環境工学科大学院)
「住宅市街地の再建動向と景観実態−芦屋市調査を通して」
9.井坂邦子・宮崎真由美(武庫川女子大学生活環境学科4年)
「トーア・ウエスト地区の新しい動向」
10.大野由紀・徳永敦子(大阪外語大学開発環境専攻3年)
「災害公営住宅の応募に関する仮設住宅住民の意識調査」
11.池上未典(桃山学院大学社会学部社会福祉コース専攻3年)
「ボランティア活動を通してみえた仮設住宅地域−ふれ陽」を拠点として」
12.山田一隆(立命館大学大学院)
「仮設住宅居住者の実態について−1997年の調査結果から・「退去見通し」を中心に−」
着眼点が非常によい。多くの再建住宅を住宅メーカーが供給した中で、再建だけでなく、補修や震災直後の対応など、地域密着型の工務店の果たした多様な役割に注目している。調査結果に対する視点をわかりやすく提示するようなまとめ方に工夫がほしかった。
正攻法でデータに取り組み、とにかく頑張って勉強した結果としてよくまとまっている。ただテーマはたいへんおもしろいのに、分析・評価がこれまでの枠組みを越えていない。なぜ老朽木造住宅が残ったか、維持管理の問題などの視点もある。
地区の設定や分析結果の読みとりに疑問もあるが、地道な作業をこなし、審査員に反論するファイトを買いたい。
第8部は、96年7〜10月ごろの状況を記録したもので、復興区画整理事業のトップを切って事業が始められた様子や、多くのボランティアが集結した鷹取救援基地が新しい局面を迎えて変化していく様子などを克明に描いています。
http://www.hyogo-iic.ne.jp/~INS93031/
「情報きんもくせい」のホームぺ−ジは、「きんもくせい」と同様、学芸出版・前田さんのご協力で、引き続き以下のアドレスで発信します。
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/gakugei/kobe/index.htm
今回の審査より、阪神淡路コミュニティ基金(HAC基金)との連携が行われました。
連携の方式は以下の通り。
(1)マッチング方式:公開審査という迅速な対応を有するが基金規模の小さいHAR基金と、基金規模が大きいがゆえに審査手続きに時間のかかるHAC基金の両者の特徴を生かした連携方式で、「迅速で充分な助成」を行うことをねらいとしている。
(2)チームプレイ方式:復興調査や事業の掘り起こし活動などで、企画・予備調査をHAR基金が受け持ち、本調査・事業活動をHAC基金が受け持つ方式。HARでの実績でHACは迅速な審査が可能となる。
(2)第5回贈呈:M−NET(白地区域の新築建物調査)、芦屋のだんだん畑・楽農倶楽部
1.街の多言語化の推進
神戸アジアタウン推進協議会・・・・45
2.「復興」まちづくり震災と記憶の歩み
野田北部まちづくり協議会・・・・22
3.震災復興映像記録の制作と上映・普及
野田北部を記録する会・・・・100
4.被災市街地における住空間像の提案研究
住空間研究会・・・・50
5.ランドスケープからの復興支援−阪神グリーンネット
ランドスケープ復興支援会議・・・・22
6.住吉地区における住民主体の復興まちづくり支援活動
住吉地区復興支援グループ ・・・・22
7.白地地域における新築住宅・3年目の記録とアピール
M−NET・・・・16
8.植栽活動による入居前からコミュニティづくり支援
芦屋のだんだん畑・楽農倶楽部・・・・ 50
9.ドングリ銀行神戸−震災被災地での緑の復興活動
ドングリネット神戸・・・・22
10.震災再建市街地における景観・空地の実態調査
震災復興・実態調査ネットワーク・・・・50
11.ふれあい住宅入居に伴う協同居住活性化支援活動
コレクティブハウジング事業推進応援団・・・・25
<第2部>基調講演
「震災復興と魅力あるまちづくり」堯天義久(神戸大学名誉教授)
<第3部>パネルディスカッション「復興まちづくりと景観」
鳴海邦碩(阪大)、浅木隆子(北野・山本地区)、池田宏之(積水ハウス)、宇治原邦浩(住
都公団)、後藤祐介(GU計画研究所)、中瀬 勲(姫路工大)
※さわやか街づくり賞の「まちづくり活動部門」では、震災関連として以下のグルー
プが受賞しました。
・野田北部まちづくり協議会(神戸市長田区)
・コレクティブハウジング事業推進応援団(被災地全域)
・南芦屋浜団地/コミュニティアート実行委員会(芦屋市)
なお、当事務局のある「きんもくせい通り協調住宅」('96.12竣工)は、「建築物部門」
で受賞されました。