情報きんもくせい03
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阪神大震災
復興市民まちづくり支援ニュース
情報「きんもくせい」第3号

971228発行
復興市民まちづくり支援ネットワーク事務局

■被災実態についての学生発表会〔第2回〕開催

 11月16日、神戸大学瀧川記念学術交流会館において、震災復興・実態調査ネットワーク主催による、2回目の学生発表会行われました(第1回は昨年7月に開催)。震災復興をテーマとした12本の論文・報告があり、被災地域だけでなく関東の大学からも発表が寄せられました。また、都市計画・建築分野だけでなく、福祉やボランティア分野の発表もありました。

 審査の結果、優秀賞3名、審査員特別賞9名が選ばれ、それぞれにふさわしい商品(「復興市民まちづくり」全8巻やフィールドワーク用の写真フィルムなど)が贈呈されました。発表者・論文報告名リスト及び優秀賞の講評は以下の通り。

<発表者一覧>(発表者(所属)、論文・報告名称(1〜6:論文、7〜12:報告))

1.大森高史(筑波大学社会工学系大学院)
 「阪神・淡路大震災復旧期における避難住民の物資要望に関する研究−神戸市の避難所を例として」

2.西 嘉和(神戸大学建設学科学生/現三井建設)
 「阪神大震災における中小工務店の役割に関する研究」

3.福留邦洋(東京都立大学都市研究所大学院)
 「土地・建物の所有形態から見た家屋被害の差異−兵庫区上沢駅周辺を事例として」

4.木下吉樹(大阪府立大学農学部緑地計画/大阪市役所)
 「震災火災における緑地の防災効果」

5.藤田紀子(神戸大学建設学科学生/現地域環境計画研究所)
 「築地と酒田の復興まちづくりの比較研究」

6.瀬崎昌和(神戸芸術工科大学環境デザイン学科大学院)
 「場につくる、場をつくる−神戸被災地の復興計画を通して」

7.井上智之(神戸商科大学大学院)
 「ケミカルシューズ産業集積の再編」

8.林 陽平(大阪大学環境工学科大学院)
 「住宅市街地の再建動向と景観実態−芦屋市調査を通して」

9.井坂邦子・宮崎真由美(武庫川女子大学生活環境学科4年)
 「トーア・ウエスト地区の新しい動向」

10.大野由紀・徳永敦子(大阪外語大学開発環境専攻3年)
 「災害公営住宅の応募に関する仮設住宅住民の意識調査」

11.池上未典(桃山学院大学社会学部社会福祉コース専攻3年)
 「ボランティア活動を通してみえた仮設住宅地域−ふれ陽」を拠点として」

12.山田一隆(立命館大学大学院)
 「仮設住宅居住者の実態について−1997年の調査結果から・「退去見通し」を中心に−」

<震災委員会の講評>

優秀賞・ネットワーク賞

 西 嘉和(神戸大学/現三井建設)
「阪神大震災における中小工務店の役割に関する研究」

 着眼点が非常によい。多くの再建住宅を住宅メーカーが供給した中で、再建だけでなく、補修や震災直後の対応など、地域密着型の工務店の果たした多様な役割に注目している。調査結果に対する視点をわかりやすく提示するようなまとめ方に工夫がほしかった。

優秀賞・きんもくせい賞

福留邦洋(都立大学都市研究所大学院)
「土地・建物の所有形態からみた家屋被害の差異−兵庫区上沢駅周辺を事例として−」

 正攻法でデータに取り組み、とにかく頑張って勉強した結果としてよくまとまっている。ただテーマはたいへんおもしろいのに、分析・評価がこれまでの枠組みを越えていない。なぜ老朽木造住宅が残ったか、維持管理の問題などの視点もある。

優秀賞・21世紀ひょうご賞

木下吉樹(大阪府立大学/現大阪市役所)
「震災火災における緑地の防災効果」

 地区の設定や分析結果の読みとりに疑問もあるが、地道な作業をこなし、審査員に反論するファイトを買いたい。

写真・発表風景(97.11/16、於神戸大学)・未

■「人間のまち、野田北部鷹 取の人々」第8部完成

 長田区の野田北部・鷹取地区で震災後の復興まちづくりを撮り続けている青池監督の「人間のまち、野田北部鷹取の人々」第8部がこのほど完成しました。恒例のこうべまちづくり会館において、上映会並びにシンポジウムが行われました。

 第8部は、96年7〜10月ごろの状況を記録したもので、復興区画整理事業のトップを切って事業が始められた様子や、多くのボランティアが集結した鷹取救援基地が新しい局面を迎えて変化していく様子などを克明に描いています。

■きんもくせいのインターネット 発信体制について

KINMOKUSEI INTERNATIONAL のホームページできる

 「きんもくせい」(創刊号〜50号)の英訳と世界への発信を目的とした“KINMOKUSEI INTERNATIONAL PROJECT”の第1段として、ホームページが出来ました。(1)「きんもくせい」を発行主体である当ネットワークの紹介、(2)「きんもくせい」の全目次(工事中)、Bビジュアルライブラリー(震災前、直後、現在の写真)を掲載しています。アドレスは、

 http://www.hyogo-iic.ne.jp/~INS93031/

「情報きんもくせい」のホームぺ−ジは、「きんもくせい」と同様、学芸出版・前田さんのご協力で、引き続き以下のアドレスで発信します。

 http://web.kyoto-inet.or.jp/org/gakugei/kobe/index.htm

■HAR基金第5回助成団体決定

 阪神・淡路ルネッサンスファンド(HAR基金)の第5回目の公開審査会が、12月13日に行われ、下表のように11の助成団体が決定しました(申請団体20団体)。

今回の審査より、阪神淡路コミュニティ基金(HAC基金)との連携が行われました。

連携の方式は以下の通り。

(1)マッチング方式:公開審査という迅速な対応を有するが基金規模の小さいHAR基金と、基金規模が大きいがゆえに審査手続きに時間のかかるHAC基金の両者の特徴を生かした連携方式で、「迅速で充分な助成」を行うことをねらいとしている。

(2)チームプレイ方式:復興調査や事業の掘り起こし活動などで、企画・予備調査をHAR基金が受け持ち、本調査・事業活動をHAC基金が受け持つ方式。HARでの実績でHACは迅速な審査が可能となる。

第5回助成金贈呈式・報告の会


写真・公開審査風景

おしらせ

都市復興まちづくりシンポジウム −ひょうごまちづくりセミナー’98−

(阪神・淡路大震災3周年記念事業)

「寸劇&討論 震災から3年をふりかえる」

神戸復興塾特別懇談会

兵庫県立人と自然の博物館・土曜セミナー受講生募集

■連絡先:〒657 神戸市灘区楠丘町2−5−20
TEL.078-842-2311・856-2240 FAX.078-842-2203
Email:CYG02021@niftyserve.or.jp 担当:中井 豊

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