客注の事務処理は結構面倒臭い。 出版社の名前もあやふやで、 さらに書名さえもあやふや、 パソコンであれこれ調べ、 あげくのはてには2〜3週間お待ち下さいというと、 そんなにかかるのかと、 けげんな顔をされる。 ほんとうはもう少し早く入りそうなのだけど、 万が一遅くなってお客に叱られるよりは、 少し長めに言っといたほうが無難。 1500円のために住所の確認やらなにやらで20分もかかっていしまい、 これじゃサービス倒れだとブツブツ。
まぁまぁそう言いなさんな。 数ある書店のなかから貴店を選んで、 本当はすぐに欲しいのだけど、 しょうがないから2〜3週間待つ覚悟で注文してくれたのだから。 確かに客注は割りの合わないものである。 いっそ止めたほうが、 ということで、 客注を受けない書店もあるそうだ。 しかしそこまでして読者が注文する本である。 そこにかなり重要な購入の動機なり理由があるはずである。 これをチェックしない手はない。 販売のキーワードが見付かるかもしれない。 客注というのは、 見掛けの繁雑さの中に「売り」の秘密が隠されているものなのだ。 これを無視すると、 とんだ落とし穴にはまるかもしれない。