おまけ2

《書店でのマナー集》

  書店での守るべきマナーについて書きたい。 というのも、 書店以外では結構おとなしい人も、 何故か書店では横柄な態度をとりがちだからだ。なぜだかわからないけど、こんな人結構いませんか。

・ 「本を選びたいけど、 カバンを置くところがない。 エーイ、 本の上に置いちゃえ。 」
 カバンを平台の上に置いてはいけません。 あなたのカバンがどれほど奇麗か知らないし、 床にカバンを置くとあなたのカバンは汚れるからなのだろうけど、 商品の上にカバンを乗せるようなことしちゃいけません。 洋服屋でこんなことしてないでしょ。

・ 「こんな本も置いていないのか。 」
 自分の欲しい本がないからといってこのような捨てぜりふを吐いてはいけません。 ここはあなただけのための書店ではありません。 ここはあなたが欲しい本が置いていない書店なのです。 自分に合ったお店を探しましょう。

・ 「そんな本のことも知らないのか。 」
 問い合わせた本を、 書店人が知らなくてもバカにしてはいけません。 あなたの知らない本を書店の人はたくさん知っているし、 あなたの聞いた本は、 たまたま知らなかっただけなのです。

・ 「あれ、この本どこから抜いたんだっけ。 」
 本を棚から抜いたら、 元の場所にキチンと戻しましょう。 棚は、 きれいに分類されているのだし、 あなたが違う場所に収めたら、 読者からの問い合わせに書店の人は探せなくなってしまうかもしれないからです。

・ 「同じ買うなら奇麗な本。 一番下の本が奇麗なんだよね。 」
 平台に積んである本の下の方が奇麗な本がある確率は高いのですが、 芋掘りのようなマネは謹みましょう。 あなたは奇麗な本を手に入れるでしょうが、 他の本はみんな汚れてしまいます。

・ 「いつもの駅前の書店で待ってて。 ちょっと遅れるかもしれないから、 本でも読んでてよ。 」
 書店は待ち合わせには恰好の場所で、 そこを利用することは決して悪いことではありませんが、 たまにはそこで本を買いましょう。 特に、 時間潰しに立ち読みだけしているあなた。

・ 「あのー、おいくらですか。 」
 書店のレジはとても混雑しています。 精算するときは、 金額を聞いてからサイフを出すのではなく、 あらかじめ必要な金額を準備しておきましょう。

・ 「出版社も著者もわからないんだけど、 それから題は、 うーんと、 山がなんとかというやつ。 ほらほら最近新聞に出てでしょ。 」
 本を注文するときは、 あらかじめ、 出来得る限りの情報を集めておきましょう。 出版元わからない、 著者わからない、 書名あいまい、 こんなお客でも、 必死になってその本をさがしてくれますが、 書店さんはへとへとです。

・ 「この間注文した本、3丁目の書店にあったからもういいや。 」
 本の注文をしたら、 たとえそれが他の書店にあっても買ってはなりません。 目の前にその本があるのに、 という気持ちはわかりますが、 1冊の注文に大変な手間をかけている書店さんのことを少しだけわかってあげてください。

・ 「その本いつ入るの。」
 注文してもいつ入荷するのかは、 残念ながら不明です。 3日後かもしれないし1カ月後かもしれません。 これはあなたの運です。 業界ではこれについて改善努力をしていますが、 「何日の何時に来て下さい」 という返事が出来るのは今世紀中には無理です。 本当にそんなことが出来るようになるのかすらも今はわかりません。

・ 「いまベストセラーの 《売れる書店はこうだ》 ありますか。 」
 自分の探している本がない時は、 黙っていないで、 書店の人に聞きましょう。 書店はお客様の声で成長します。 ご協力をお願いします。

・ 「ひどい雨だっな。 ビニール袋に入れるのは面倒だし、 まぁいいか。 」
 雨の日の書店は要注意です。 商品はすべて紙です。 濡れたらどうなるか分かりますね。

・ 「なんだよ、 これ。 邪魔だよなぁ。 」
 本に挟まっている細長い紙、 ページを開くときちょっと邪魔なのですが、 あれは 「売上カード」 といって書店ではとても大切なものです。 だから捨てたり、 ページの間に隠してしまったりしないでください。 どうでもいいよ、 という書店もありますが、 売れている書店ほど大切にしています。

・ 「おたくで買ったこの本、 ページがとんでいるだよね。 なんとかしてよ。 」
 乱丁や落丁は書店にクレームを言っても無駄です。 製造した責任のすべては出版社にあります。 出来得る限りの努力で商品の取り替えをいたします。

・ 「昨日買ったこの本、 やっぱり要らないんだ。 返すから、 お金を返してよ。 」
 本は返品できません。 取り替えもできません。 本を買う時はそれなりの覚悟が必要です。 読んだけど面白くないから取り替えれくれ、 というのは論外です。

僕は小売店の中でも、 書店というのはサービスのよいものだと思っている。 実際、 かなり難しい質問でも一生懸命答えれくれる。 それに500円の文庫本を買って1万円を出しても、細かいのお持ちじゃないですか、 なんて言うことはあまりなく、 僕なんかすっかり甘えて、お金をくずしたい時は、文庫本を一冊買ってしまったりしている。 こうした書店のサービスに応えるためのも書店でのマナーはしっかりと守りたいものである。

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