発言コーナー (2002,12,8更新)

                                                


 すでに新聞で報道されていますので、ご存知と思いますが、12月6日に「心神喪失者医療観察法案」が強行採決されました。下の記事は毎日新聞のホームページに載ったものですが、2時間後には掲載されていませんでした。
 朝刊のあつかいも小さいし、どうせ参議院で継続審議になるだろうということで、ともかく衆議院だけは通しておこうというのでしょうか。
 あまりにも議論が不十分ですし、本当にどさくさ紛れという感じで、危機感を感じます。


12月06日 20:53

心神喪失者法案:
自民など3党で強行採決 衆院法務委


 重大事件を起こした精神障害者の処遇を定めた「心神喪失者医療観察法案」の修正案が6日、衆院法務委員会で自民、公明、自由3党の賛成多数で可決された。民主党などはこの日も5時間にわたる審議を行い、「質疑を打ち切るのは時期尚早」と採決に反対したが、山本有二委員長が職権で採決した。10日の衆院本会議で可決、参院に送られる。

 この日の委員会は空席が目立ち、与党委員の退席で定数が足りずに審議が一時ストップした。しかし、野党議員の質疑が終わると審議が打ち切られた。野党議員と傍聴席を埋めた精神障害者や支援者からは「こんなずさんな法律を通すのか」と抗議が相次ぎ、騒然となった。

 これに先立ち、障害者団体メンバーらは坂口力厚生労働相と森山真弓法相に「採決前に当事者に会ってほしい」と申し入れた。委員会で野党委員も「会うべきだ」と詰め寄ったが、両相は「委員長の指示に従う」と述べ、山本委員長が会うことを認めなかった。

 3日の審議で参考人として反対意見を述べた全国「精神病」者集団の長野英子さんは「当事者の声も十分に聞かず、私たちの人権にかかわる問題を多数決で決めるのか」と厳しく批判。日本弁護士連合会同法案対策本部の伊賀興一弁護士は「法的な根拠があいまいで、患者の自由を奪う根拠にはならない。憲法違反だ」と憤った。 【精神医療取材班】

[毎日新聞12月6日] ( 2002-12-06-20:54 )







次の朝日新聞の報道(2002,2,3朝刊)に関するご意見を求めます。
匿名可ですので、どしどしご意見をメールでお送り下さい。


■重罪犯した精神障害者の入院期限設けず 政府案
 再犯の恐れ判定、半年ごとに再審査 
 重大な犯罪行為をしながら刑事責任能力がなく罪に問えない精神障害者について、政府が導入しようとしている処遇システムの全容が明らかになった。治療施設への入院や通院を命じる要件として「再犯のおそれ」を明記したうえで、入院期間には上限を設けず、6カ月ごとに裁判所がその必要性をチェックし延長する。不服申し立て制度を整備するなどして手続きの透明性を図るとはいえ、極めて長期の入院に道を開くことになるため、今後議論を呼ぶのは必至だ。

 政府案によると、触法精神障害者の処遇を決める審判は、裁判官と精神科医各1人で構成する合議体で行う。別の精神科医に鑑定を依頼し、その結果などに基づいて「再犯のおそれ」があると判断すれば入院や通院を命じる。合議体は、精神障害者の保健・福祉に通じた精神保健福祉士を参与員として関与させ、意見を聞くことができる。

 入院・通院の治療は厚生労働省が指定する特別の施設で行う。その管理者は「再犯のおそれ」がないと判断した場合は直ちに退院許可を、あると認める場合は6カ月ごとに裁判所に入院継続の許可を、それぞれ申し立てなければならない。

 治安保持を優先しすぎるとされた74年の改正刑法草案でも、収容期間は原則最長7年と定めていた。今回の政府案は「十分な治療をして本人の社会復帰を図る」ことを目的としており、上限規定を設けるのはなじまないとしている。かわりに精神障害者側に弁護士の選任権や入院・延長決定に対する抗告権などを認めて、権利の保護を図る方針だ。

 一方、通院治療命令を受けた人の生活指導や経過観察は、全国の保護観察所が担当する。通院期間の上限は延長も含め5年程度になりそうだ。通院者に「再犯のおそれ」が認められた場合は、保護観察所長が裁判所に入院の申し立てをし、改めて処遇が決定される。

 また、精神障害者の生活支援について知識や経験がある人を新たに「精神保健観察官」に任命し、保護観察所に配置することも固まった。



<ご意見>


(2002,3,21到着分)

資料 与党 新法案

 以下は、シンポジウムの当日配った資料より新しい 与党の新法案 です。

 

重大な触法行為をした精神障害者に対する新たな処遇制度(案)の骨子

第1 目的

○心神喪失等の状態で重大な犯罪に当たる行為を行った者に対し,その適切な処遇を決定するための手続等を定めることにより,継続的に適切な医療を行い,並びに医療を確保するために必要な地域社会における観察及び指導を行うことによって,その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止等を図り,もってその社会復帰の促進を図ることを目的とする。

 

第2 対象

1 対象行為

○対象行為は,以下のいずれかの行為に当たるものとする。

@刑法第108条(現住建造物等放火),第109条(非現住建造物等放火),第110条(建造物等以外放火)又は第112条(これらの未遂)に規定する行為

A同法第176条(強制わいせつ),第177条(強姦),第178条(準強制わいせつ及び強姦)又は第179条(これらの未遂)に規定する行為

B同法第199条(殺人),第202条(自殺関与及び同意殺人)又は第203条(これらの未遂)に規定する行為

C同法第204条(傷害)に規定する行為

D同法第236条(強盗),第238条(事後強盗)又は第243条(これらの未遂)に規定する行為

2 対象者

○本制度の対象者は,以下のいずれかに該当する者とする。

@不起訴処分をされた者であって,検察官により,上記対象行為を行ったこと及び心神喪失者又は心神耗弱者(以下「心神喪失者等」という。)であることが認められた者

A無罪の裁判又は有罪の裁判(実際に刑に服することとなるものを除く。)が確定した者であって,上記対象行為を行ったこと及び心神喪失者等であることが認められたもの

 

第3 審判

1 合議体の構成等

○処遇の要否・内容の決定は,1名の裁判官及び1名の精神科医の意見の一致したところによることとする。ただし,不起訴処分をされた者が対象行為を行ったこと及び心神喪失者等であることの判断は,合議体の裁判官が行うこととする。

○裁判所は,精神障害者の保健及び福祉に関する専門的な知識経験を有する者に,必要に応じて参与員として審判に関与させ,処遇の要否・内容に関する意見を求めることができることとする。

2 入院又は通院の要否の審判

(1) 審判の開始

検察官は,対象者について,継続的な医療を行わなくても心神喪失等の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれが明らかにないと認めるときを除き,地方裁判所に対し,審判の開始を申し立てなければならないこととする。ただし,対象行為の中では傷害に当たる行為のみを行った対象者については,傷害が軽い場合であって,当該行為の内容,現在の病状等を考慮し,この申立てをすることを要しないと認めるときは,これをしないことができることとする。

(2) 鑑定入院

○上記申立てを受けた裁判所の裁判官は,対象者について,継続的な医療を行わなくても心神喪失等の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれが明らかにないと認めるときを除き,一定の期間を上限として,処遇の要否の決定がなされるまでの間,鑑定のため,当該対象者を入院させる旨を命じなければならないこととする。

(3) 調査・審判

○裁判所は,事実の取調ベ,証人尋問等を行うことができることとする。

○裁判所は,対象者に関し,精神障害者であるか否か及び継続的な医療を行わなければ心神喪失等の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれの有無について,医師に鑑定を命じなければならないこととする。

○上記鑑定を行うに当たっては,当該対象者の精神障害の類型,過去の病歴,現在及び対象行為を行った当時の病状,治療状況,病状及び治療状況から予測される将来の症状,対象行為の内容,過去の他害行為の有無及び内容等を考慮するものとする。また,この鑑定においては,その病状に基づく入院による医療の付与の必要性に関する意見を付さなければならないこととする。

(4) 申立ての却下等

○合議体の裁判官は,不起訴処分をされた者について,以下のいずれかに該当する場合には,申立てを却下する旨の決定をしなければならないこととする。

@対象行為を行ったと認められない場合

A心神喪失者等であると認められない場合

○合議体の裁判官は,検察官が心神喪失者と認めて不起訴処分をした者について,心神耗弱者と認めた場合は,その旨を検察官に通知しなければならないこととする。

(5) 入院又は通院の要否の決定

裁判所は,上記(3)の鑑定に基づき,かつ,上記(3)の意見及び当該対象者の生活環境を考慮し,以下のいずれかの決定をしなければならないこととする。

@入院をさせて医療を行わなければ心神喪失等の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれがあると認める場合は,医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定

A@の場合を除き,継続的な医療を行わなければ心神喪失等の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれがあると認める場合は,入院によらない医療を受けさせる旨の決定

B上記@又はAの場合に当たらないときは,この法律による医療を行わない旨の決定

○入院によらない医療を受けさせる期間(以下「通院期問」という。)については,一定の上限を設けることとする。

3 その他の審判

(1)退院又は入院継続の要否の審判

指定入院医療機関の管理者は,医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定を受けた者(以下「入院患者」という。)について,入院を継続して医療を行わなくても心神喪失等の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれがあると認められないと判断するに至った場合は,直ちに,地方裁判所に対し,退院の許可の申立てをしなければならないこととする。

○指定入院医療機関の管理者は,入院患者について,上記おそれがあると認める場合は,一定の期間ごとに,地方裁判所に対し,入院継続の申立てをしなければならないこととする。

○入院患者,その保護者又は弁護士は,地方裁判所に対し,退院の許可又はこの法律による医療の終了の申立てをすることができることとする。

保護観察所の長は,入院患者の退院後の生活環境を調査するとともに,指定入院医療機関,都道府県知事,市町村長等と協カして入院患者の生活環境の調整を行い,その結果等を踏まえ,入院患者の生活環境を報告するとともに,処遇に関する意見を述べることとする。

(2) 処遇の終了又は通院期間の延長の要否の審判

保護観察所の長は,入院によらない医療を受けさせる旨の決定を受けた者(以下「通院患者」という。)について,継続的な医療を行わなくても心神喪失等の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれがあると認められないと判断するに至った場合は,指定通院医療機関の管理者と協議の上,直ちに,地方裁判所に対し,この法律による医療の終了の申立てをしなければならないこととする。

○保護観察所の長は,通院患者について,上記おそれがあると認める場合は,一定の期間を上限として,指定通院医療機関の管理者と協議の上,通院期間の延長を求める旨の申立てをしなければならないこととする。

○通院患者,その保護者又は弁護士は,地方裁判所に対し,この法律による医療の終了の申立てをすることができることとする。

(3) 再入院等の要否の審判

保護観察所の長は,通院患者について,入院をさせて医療を行わなければ心神喪失等の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれがあると認めるに至った場合は,指定通院医療機関の管理者と協議の上,地方裁判所に対し,当該通院患者の入院の申立てをしなければならないこととする。また,通院患者について,継続的な医療が確保できないと認める場合も同様とすることとする。

4 不服申立て

○上記2の(4)の申立ての却下決定,入院又は通院の要否の決定,退院又は入院継続の要否の決定,処遇の終了又は通院期間の延長の:要否の決定及び再入院等の要否の決定に不服がある者は,高等裁判所に抗告をすることができることとする。

○鑑定入院命令に不服がある者は,地方裁判所にその取消しを請求することができることとする。

5 対象者の権利保障等

○対象者及び保護者は,弁護士を付けることができることとする。

裁判所は,入院又は通院の要否の審判の際に対象者に弁護士が付いていないときは,これを付さなければならないこととする。

○対象者,保護者及び弁護士は,意見を述ベ,及び資料を提出することができることとする。

○裁判所は,入院又は通院の要否の審判について,被害者等から申出があるときは,審判期目において審判を傍聴することを許すことができることとする。

 

第4 指定医療機関における処遇

1 医療の給付

○厚生労働大臣は,入院患者及び通院患者に対し,必要な医療の給付を行うこととする。

○医療の給付は,指定医療機関に委託して行うものとする。

 

2 指定医療機関等

指定医療機関とは,入院患者の医療を担当させる指定入院医療機関及び通院患者の医療を担当させる指定通院医療機関をいう。

○厚生労働大巨は,指定入院医療機関についての基準を定めることとする。

○指定医療機関の指定は,その開設者の同意を得て,厚生労働大臣が行うものとする。

○指定医療機関は,厚生労働大臣の定めるところにより医療を担当し,厚生労働大臣が行う指導に従わなければならないこととする。

○指定医療機関が,担当する医療を行うについて不適当であると認められるに至ったときは,厚生労働大臣は,その指定を取り消すことができることとする。

○指定医療機関(病院又は:診療所に限る。)の管理者は,精神保健指定医を置かなければならないこととする。

3 診療方針及び医療に要する費用の額の算定

○指定医療機関の診療方針及び医療に要する費用の額の算定方法は,健康保険の診療方針及び医療に要する費用の額の算定方法の例により,これによることができないとき及びこれによることを適当としないときの診療方針及び医療に要する費用の額の算定方法は,厚生労働大巨の定めるところによることとする。

○厚生労働大臣は,指定医療機関の診療内容及び診療報酬の請求を随時審査し,かつ指定医療機関が請求することができる診療報酬の額を決定することができることとし,指定医療機関は,厚生労働大巨が行う診療報馴の額の決定に従わなければならないこととする。

○厚生労働大臣は,審査のため必要があるときは,指定医療機関の管理者に対して必要な報告を求め,又は当該職員をして指定医療機関についてその管理者の同意を得て,実地に診療録その他の帳簿書類を検査させることができることとする。

○指定医療機関の管理者が,正当な理由がなく厚生労働大臣の報告の求めに応ぜず,若しくは虚偽の報告をし,又は診療録その他の帳簿書類の検査の同意を拒んだときは,厚生労働大臣は,当該指定医療機関に対する診療報酬の支払を一時差し止めることができることとする。

○国は,政令で定めるところにより,指定入院医療機関の設置及び運営に要する費用を負担する。

4 その他

○指定入院医療機関の管理者は,入院患者につき,その医療等に欠くことのできない限度において,その行動について必要な制限を行うことができることとする。

○厚生労働大巨は,指定入院医療機関が行うことができない行動の制限を定めるほか,入院患者の処遇について必要な基準を定めることができることとし,指定入院医療機関の管理者は,その基準を連守しなければならないこととする。

○指定医療機関の管理者は,医療を受ける対象者の社会復帰の促進を図るため,その者の相談に応じ,その者に必要な援助を行い,及びその保護看等との連絡調整を行うように努めなければならないこととする。

○処遇改善請求,処遇改善命令等,患者の適正な処遇を確保するための制度を整備することとする。

 

第5 地域社会における処遇

1 処遇の実施計画の策定

○保護観察所の長は,指定通院医療機関の管理者,保健所等の長その他の医療,保健及び福祉に関する機関等と協力して,処遇の実施計画を定めることとする。

2 医療

○指定通院医療機関の管理者は,通院患者に対し,その病状等に応じて適切な医療を行うこととする。

3 観察及び指導

○通院患者は,通院期間中,精神保健観察に付することとする。

○精神保健観察として,保護観察所の長は,通院患者に対し,継続的な医療を受けさせるために必要な観察及び指導を行うこととする。

○保護観察所の長の行う観察,指導等に従事させるため,保護観察所に,精神保健観察官を置くこととする。

4 援助

○都道府県知事及び市町村長は,通院患者に対し,精神保健福祉法等の法律に基づき,保健及び福祉に関する援助を行うこととする。

5 関係機関の連携及び調整

保護観察所の長は,指定通院医療機関,保健所その他の医療,保健及び福祉に関する機関と協議し,通院患者に対する処遇の状況を把握するとともに,その適正かつ効果的な実施体制を確保するため,相互の連携及び調整を図ることとする。

 

以上が、与党の新法案である。    

 

以下、200222シンポジウムも踏まえた個人的見解である。

今回の法案に当たっては、各団体の反対運動が、かつての「治療処分」のように活発ではなく、むしろ医療関係者、日本精神病院協会、日本精神障害者リハビリテーション学会、全国精神保健福祉センター長会などは、基本的賛成を表明している。しかし、以下の点の疑問・懸念が残る。

@       精神障害者の犯罪が増えてないのに、なぜ今新法制定なのか。

A再犯防止も目的とされているが、それに成功するかどうかは疑問。まだ精神医学的には研究段階の課題。精神障害者の再犯率は低い。

B「6ヶ月ごと」に「処遇」を見直すということだが、「退院」可能性はあるのか?半永久的な入院にならないのか?

Cそうならないかどうか、最初は1,2施設での「実験段階」を経て、しっかり再評価すべき。

D実験的試みであることから、5年毎に見直しすること、「新法の廃止もある」ことを明記すべきである。

E「合議体」の構成の問題。精神医学の診断技術が未熟な現時点では、少なくとも2名の精神科専門医の「診断の一致」をもって処遇決定すべき。

F国公立病院の中に「専門病棟」を整備するらしいが、十分なマンパワーを配置し、かつ司法精神医学的治療・処遇の研究も行っていくような、充実したものが必要。そうでなければ、現状を変えることにはならないので、「新法」制定の意味が無い。

G病床規模・マンパワーとしては、20-30床以内とし(先進諸国の一般精神科急性期病棟は、10-20床規模)、入院者1人に対し看護スタッフ最低2人とし、精神保健福祉士、臨床心理士、行動療法士、も常駐し、精神保健指定も3人以上確保して、高度な行動療法・精神療法・薬物療法を行える環境を整えるべきである。

G一般の診療報酬の費用内で運営すること不可能なことは、明らか。国費で運営されるべきである。

 

国公立かどうか、マンパワーはどうか、その中身によっては、「新法」反対もありうる。

 

(2002.3.21 遠山照彦)





(2002,3,9到着分)

皆さんこんばんは。
さて、「重大な触法行為をした精神障害者に対する新たな処遇制度」=「新法」に対する、私たちの、賛否表明が問われています。
4/6には、京都弁護士会が、緊急市民集会を開くようです。
弁護士は、概ね反対のようです。
精神科医のなかには、真面目な賛成者もいます。例えば「日本精神障害者リハビリテーション学会」会長。
 
小生、正直なところ、「新法」に対して、賛成、反対決めかねているところです。
反対の理由は、勿論「半永久的な「入院」が発生する」という懸念です。
それと、「指定医療機関の長」の権限が強力ですが、これがどのような思想の持ち主であるかによって、「処遇・入院」が相当に左右されるということです。「犯罪者は抹殺すべし」といった優生思想的考えをもっている精神科医も現にいるわけで、司法精神医学の専門医の中には、そういった人も結構いそうです。そのような人が、「指定医療機関の長」に座ったとしたら・・・・
とりあえず疑問点挙げてみます。ご覧下さい。「私の今日付けの見解」であって、「また変わるかもしれない」ことを明記しておきます
 
(遠山照彦)




(2002,2,10到着分)
触法精神障害者問題について
実際の運用が具体的にどのようになるのかわからないので、「?」マークばかり頭に浮かんでいますが、司
法の世界と医療の世界の融合ってあるんでしょうか。
そんな事を、意味しているんですか?
まったく違うんでしょうか?
再犯の恐れってどうやって判断するのでしょう?
わからない事だらけなので、又教えてください。
それから27条診察についても又教えてください。
教えてください、ばかりですいません。
療養アイデア集の、もつれた糸の話、身にしみました。
(A)


(コメント)
法律の具体的な内容は公開されていませんので、詳細はわかりません。
ただ、大枠が決まったということなのでしょう。
保安処分の案が出た頃から、再犯のおそれを証明することは不可能というのが、医療関係者の意見でした。今回その事実を覆す方法が見つかったわけでもありませんから、科学的根拠があろうとなかろうと、立法化しようというのでしょう。
大改革の時代なので、過去行われなかったことを実行すれば、何であっても改革だということなのでしょうか。本当に大変な状況だと思います。
皆さんのご意見をお願いします。




(2002,2,4到着分)

大変な法律が作られようとしているようです。
世の中の構造改革の波、不景気の風潮にまぎれて、今まで積み重ねられてきた多くの方々の努力が捻じ曲げられては大変です。
 私は保護観察所という極めて保守的な観察制度の中で精神障害への微妙な心ずかいは大変難しいと思います。
たとえ観察所に専門官が配属になっても、 安直に地域の保護司がこうした事案にかかわると根本的な間違いが生ずる恐れを感じます。
 現在起こっている、少年犯の問題の多くは保護司の知識と経験では対応できないことが多いと思うからです。
 この一事を見ても泥縄法だと感じます。心配です。
時間をかけてきめ細かい配慮をお願いしたいと思います。
 
(飛んだ親父)
 

(コメント)
入院している精神障害者の
権利擁護のために、精神医療審査会というものが、各都道府県に設けられています。
ところが、その活動内容に関しては地域差が甚だしく、とても同じ制度とは言えないくらいです。
このような状況であるにもかかわらず、長期拘禁を法的に認めるとしたら、制度の運用の地域差は驚くべきものとなるでしょう。
それ以前に、平均在院日数などや薬物使用量など地域格差は、極めて大きなものとなっているのですから、こうした制度が地域差を無視できるほどの公平さで運用される見込みは全くありません。
同じ犯罪を犯しても、東京と高知ではまったく違うという処遇となるでしょう。
法の下の平等が実現する見込みはないのです。





(2002,2,3到着分)
社会体の感性そのものが免疫異常を起こしているのかなあ?
システム的にもちょっとした微かなミスが大きな被害を起こしてしまうし。
だって原始時代に僕がいたって問題でも何でもなかったんじゃないでしょうか、なんちゃって。
でもよくわかんないなあ。
もしかしたら人間性がどんどん衰退しつつあるのかなあとも考えます。
無制限収容されるとしても、どうかなあ、嫌だけど、辛いけど、どうなのかなあ、宗教という要素もあるし・・・・・・この世は結局そのような人間自身が地獄を作り出すところでありつづけるのでしょうか。

(M)


(コメント)
 コメントするには難しいご意見です。うーむ。


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