大特一種


大特一種とは

西脇教習所にて大特は技能免除の教習がある。6時間の教習で約8万円かかる。大特に関しては東播自動車教習所の教習中に教官から、「大特は飛び入りで何とかなりますよ」と聞いていたこと、第一種を試験場で取得したら、同じコース、同じ車両なのでそのまま二種が取りやすいであろうとの分析の結果、教習所はやめて、飛び入りで挑戦することとした。とはいうものの、操作の仕方も知らずに受けるのもいやなので、1時間だけ西脇で練習をすることとした。

平成15年4月8日 西脇自動車教習所にて練習。
試験場と同じ車両(TCM)での練習ができる。12,600円で1時間の練習をした。最初の1周乗せてもらったあとは、慣れたもので右方向変換を中心に練習をつんだ。確かに教習所で6時間も練習をする必要はないと感じた。


まず、けん引免許同様、大特の参考書は殆どない。参考にしたのは、企業開発センター交通問題研究所の「大型特殊 第一種・第二種免許けん引免許、全免許を取得した経験から合格のノウハウを開示」というものであり、実は、これは先に述べたけん引の参考書と筆者が同じであった。

大特一種の技能試験
大型特殊には後輪操舵のものと中折れ(車体屈折)の2種類がある。明石の試験場にはどうやら3台あって、最近購入した小松の車両(5号車)は中折れ式であまり試験には登場しない。最もよく用いられるのはTCM(日本の車両製造メーカー)の3号車、受験者が6名以上いるときなどに、第2試験車両として登場するトヨタの4号車がある。3号車、4号車は後輪操舵で、構造もほぼ同じである。ただし4号車はかなり古い車両である。平成19年4月の最新情報によると、最近の試験にはKOMATSUの中折れ式が中心で、TCMの後輪操舵の車両は殆んど登場することはないそうである。

大特のポイントは、後輪操舵ゆえ、右左折や方向変換がやはりポイントとなる。フォークリフトの経験があれば、感がつかめるが、全く初めてではやや戸惑うであろう。基本は、前輪を回る方の縁石ぎりぎりに近づけることである。普段車を運転している人は、バックで走ると考えればよい。よって、大特のバックは実は乗用車の前進となるので、発想を転換すると意外に納得。大特のコースには、S字やクランクはない。簡単に曲がれてしまうからだ。もちろん坂道発進などもない。

60と61コースがあるが、いずれも方向変換は右方向変換である。3回までは切り返しが認められるが4回となったら試験中止である。実際にハンドルを握れば分かるが、大特ならではの特徴がいくつかある。アクセルを思い切り踏んでも大してスピードが出ない。走行中、妙に左右にふらつく。ブレーキは思いっきり踏んでも緩やかに効く。特にブレーキは整備不良やろうと思うほど効かないので、信号や一時停止、踏み切りの前では早めに、かつ満身の力を込めて停止すること。

試験の実際
それでは60コースを例に実際のシミュレーションをしてみよう。大特は左側から乗降する。シートベルトは存在しており、腰のあたりで2点式で装着する。ルームミラーはないので、調整はしない。まずはギアをニュートラルにしてエンジン始動。バケットを上げて、ギアを前進2速に入れて、ブレーキを踏んで、サイドギアを降ろして、右合図を出して、発進。最初に頑張って右に切りすぎると後輪が左にはみだして出発点に乗り上げるから注意。

全体のコースが短い関係で慣らし走行もやや短い。庁舎の南端を左折して、試験開始。最初の信号を渡り、指示速度20km/h。アクセルの9割ぐらいで20km/hとなる。揺れる揺れる。試験官も後部の座席で飛び上がってる。そう、大特にはサスペンションがないのである。指示速度以外は一体何km/hで走行すればよいか。別に25km/h出しても構わない。ただ、カーブ手前では充分減速し、要はメリハリのある運転をした方がよい。

踏み切りが難物である。窓がないので、窓を開けて音を確認という作業はしなくてもよい。しかし、エンジン音がやかましいので、殆ど警報器の音も聞こえない。私もかつて踏切の警報機の点滅を見落として発進して、強制送還となったことがある。コースは試験官が指示してくれるが、車内はやかましくて半分しか聞こえないので、大特は特にコースを覚えておいた方が無難だ。

方向変換は、右方向変換のみ。左縁石ぎりぎりにつけて、後退。自分がポールの中心に来てから初めてハンドルを左いっぱいに切る。車体の左後端がポールの左端(向かって右端)に近づくようにハンドルを調整して、入った時には車体がポール左端によってるのが良い。発進の時は左合図を出して、左右を確認して車体右後方がポールに当たらない程度に左いっぱいに切りながら出る。

前輪の幅が意外にあるので、センターラインを割らないように注意を要する。また、前輪がちょうど見難い位置にあるが、これを頑張って見ようとする行為は、巻き込み防止の安全確認とみなされ有利になる。最後に、直線でのふらつきを防止するには、遠くに視線をやり、ハンドルを思った半分だけ切り、道に凹凸がありそうな場合はアクセルを3割緩めるだけで安定する。とにかく、あわてて切り過ぎると蛇行運転になるので注意。

(注)兵庫県の場合は、試験車両は後輪操舵と中折れ(アーティキュレート)の2種類があるが、最近は後者の中折れが多い。この場合は内輪差がないので、方向変換や右左折のテクニックは後輪操舵とはやや異なる。

大特一種取得記

平成15年4月16日 1回技能試験/N試験官/60コース/3号車/13:00〜
大特以外のすべてを持っていた関係で、試験場での手続きの際には、免許証を確認した係官が一様に驚いてくれた。金かかったやろう、とか何の仕事してるの?と訪ねる者あれば、立派な免許です、と誉めてくれたり、いろいろコメントをもらいながら進む。
第1回技能試験/野間試験官/60コース/3号車/13:00〜
方向変換を出る際に前輪が縁石に乗り上げて試験中止。

平成15年4月25日 第2回技能試験/N試験官/60コース/3号車/9:00〜/小雨
先週と同じ試験官。寝不足であったが、のびのびと走行できて、あっさり合格予定。「左寄せが少し甘いところがあった。」とのコメントあり。仕事の関係で午後からの合格者講習と写真撮影が終わってからの免許証発行では時間的に無理があり、免許証作成係(1F)で書類手続きをして、4月28日に改めて免許証だけ発行することにしてもらった。


平成15年4月28日 免許証発行
9時30分に免許証係に出向いて、交付手数料1,750円の証紙をAで購入して、一人だけ写真を撮影して、15分後には出来たての免許証を手にした。Eの合格者講習を受けなくて済み、時間の節約にはなった。ただし、明石に1回余分に足を運ばなければならないが。

大特の方向変換(動画:アニメーションGIF)
明石の試験場においては
方向変換は、60コースも61コースも右方向変換である。左縁石ぎりぎりにつけて、後退。自分がポールの中心ぐらいにに来てから、徐にハンドルを切り始め、やがて左いっぱいに切る。この時車体の左後端がポールの左端(左というのは、方向変換が完了した時の左手方向という意味)に近づくようにハンドルを調整して、方変完了時には車体がポール左端によってるのが良い。
一応、必要ないとされながらも、元気よく、「完了しました」と試験官に告げ、(けん引の場合は必要)場合によっては、「発進しなさい」の指示がないかもしれないが、左合図を出して、左右を確認を行い、右前輪を縁石近くに沿わせながら、かつ車体右後方がポールに当たらない程度にハンドルを左に切りながら出る。車体右後部が、ポールの窪みを脱出した時には左フルにハンドルをきらないと、右前輪が脱輪してしまう場合があるので注意。考えてみれば、後輪操舵の車体で後退するということは、要は普通の乗用車で前方左折方向変換するのと同じことなのだ。私は、大特の受験の前に、広い駐車場を利用して、自分の車でバックで走る練習をしたが、本番には、少しだけ役に立ったような、立たなかったような。
(大特一種、明石試験場でのコースについてはここを参照)

除雪車について
雪上車は一般に大型特殊に分類されているがカタピラを有する除雪車は普通または大型自動車に分類される場合がある。道路交通法施行規則の規定により、カタピラを有する自動車のうち、大型特殊自動車とならないものを指定する件(昭和43年8月1日総理府告示第28)により、道路交通法施行規則第2条の表の大型特殊自動車の項の規定によると、カタピラを有する自動車のうちスキー及びカタピラを有する雪上車は大型特殊自動車とならないとされている。つまり、スキー及びカタピラを有する雪上車は、大型特殊免許の対象とならず、大型自動車と同様に車両総重量が8t、最大積載量が5t以上のもの、または乗車定員が11人以上のものは大型、これに該当しないものは普通自動車の扱いとなり、運転可能な免許もそれぞれ大型、普通自動車となるのである。ホイール式の除雪車は0ナンバーまたは9ナンバーの大型特殊であるが、これらの区分の基準はよく分からない。
冬の北陸スキー場近くで目撃した除雪車。さすがに一般乗用車に比較するとでかい。アングリング巾3.80m、バケット巾2.74mで、車両後部には特殊車両である▽マークが表示されている。ナンバープレートは00の大型特殊車両。車両は中折れ式のアーティキュレート型で、バケットの爪は油圧で操作される鋼鉄板となっている。一般に除雪車にはこのようなアングリングプラウ型以外にもロータリ除雪車、スノー(除雪)ローダなどの車両が存在する。

諸費用