車両分類豆知識


道路運送車両法による自動車の分類(車検証に記載されている分類)
 
区 分
大きさ
総排気量・その他
四輪以上
普 通
小型規格のうち、1つでも超えるものがある場合、普通自動車となる。
小 型
長さ 4.7m以下、幅 1.7m以下、高さ 2.0m以下 2000cc以下
ディーゼル車は排気量の制限なし
長さ 3.4m以下、幅 1.48m以下、高さ 2.0m以下 660cc以下
三 輪
小 型
軽規格のうち、1つでも超えるものがあれば小型となる。
長さ 3.4m以下、幅 1.48m以下、高さ 2.0m以下 660cc以下
二 輪
小 型
軽規格のうち、1つでも超えるものがあれば小型となる。実際には、総排気量が250cc超のもの。
長さ 2.5m以下、幅 1.3m以下、高さ 2.0m以下 125cc超、250cc以下
第二種原動機付自転車
-
50cc超、125cc以下
第一種原動機付自転車
-
50cc以下
大型特殊
大型特殊
小型特殊の規格を超えるもの 排気量制限なし。キャタピラを有する自動車(雪上車、除雪車、トラクタ等)や土木作業などに用いる特殊な機械装置を有する自動車(ブルドーザ、ショベルローダ、ロードローラ等)で、分類番号が「9」、「0」に該当するもの
小型特殊
小型特殊
長さ 4.7m以下、幅 1.7m以下、高さ 2.8m以下
農耕作業用自動車は制限なし
排気量制限なし
農耕作業用自動車は時速35km/h未満。その他の特殊自動車は時速15km/h以下。

道路交通法による車両分類(運転免許証の分類と同じ)
 区 分  定 義
自動車
三輪以上
大型自動車
車両法でいう普通自動車のうち、次のいずれかに該当するもの。車両総重量8t以上、最大積載量5t以上、乗車定員11人以上
普通自動車
三輪以上で、大型自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車以外のもの
大型特殊自動車
特殊な構造を有する自動車で、小型特殊以外のもの
小型特殊自動車
特殊な構造を有する自動車で、車体の大きさが(長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0mm以下)のうち、15km/hを超える速度を出すことができない構造のもので総排気量1500cc以下のもの
二 輪
大型自動二輪車
総排気量400cc超の二輪車
普通自動二輪車
総排気量125cc超、400cc以下の二輪車
普通自動二輪車
(小型)
総排気量50cc超、125cc以下の二輪車
原動機付自転車
総排気量50cc以下の二輪車

二輪車の分類
区 分 排気量 道路運送車両法による分類 免 許
原 付 0〜50以下 第一種原付 原 付
自動二輪 普通自動二輪 50cc超〜125cc以下 第二種原付 普通二輪 小型限定
125cc超〜250cc以下 軽二輪(二輪の軽自動車) 限定なし
250cc超〜400cc以下 小型二輪(二輪の小型自動車)
大型自動二輪 400cc超 大型二輪

貨物自動車の分類
貨物自動車(トラック)は次のように分類できる。「道路運送車両の保安基準」により、大型車と中型車は重量で分けられ、中型車と小型車は寸法と積載量により分けられる。この区分とは別に最大積載量2t未満を小型トラック、4〜5tを普通トラック(営業用が多い)と分類することがある。また、4t車や、10t車というのは標準積載量で分類する呼び方で、最大積載量とは異なる。
トラック 全長×全幅×全高 定 義 ナンバープレート 免 許
大型車 12m×2.5m×3.8m以内 車両総重量8t以上もしくは最大積載量5t以上 大板(44×22)、1ナンバー 大 型
中型車 車両総重量8t未満かつ最大積載量2t超5t未満 中板(33×16.5)、4ナンバー 普 通
小型車 4.7m×1.7m×2m以内 最大積載量2〜3t以下(積載量に関しては法的基準はなし)

乗合自動車の分類
なお、小型バスのシャーシでも立ち席を設けて定員を多くしたものは中型バスに分類される。中型バスのシャーシでも定員を多くして50名以上となると大型バスに分類される。一般に乗車定員11人以上29人以下の小型バスはマイクロバスと同じ意味で扱う。レンタカー会社や旅行会社などでは乗客席数15〜20名程度のバスをマイクロバス、定員21〜29人のハイデッカーなどマイクロより高い車高でデラックスな客席つき(観光バスを短くしたようなバス)をミニバスまたは小型バスと呼んでマイクロバスと区別していることが多い。
バ ス 全長×全幅×全高 ナンバープレート 免 許
大型バス 全長9m以上または定員50人以上 大板(44×22)、2ナンバー 大 型
中型バス 大型・小型にあてはまらないもの
小型バス 全長7m以下でかつ定員29人以下 中板(33×16.5)、2ナンバー

けん引車両のトラクターの運転に必要な免許について
◆普通免許で運転できるトラクター(ヘッド)
街中にトレーラのヘッド(トラクタ)のみ走っている光景を見かける。あれ、急ブレーキ踏んでも前のめりにならないのだろうか、誰しもが思ったことがあるはずだ。さて、この場合ヘッドが8t未満であっても大型やけん引の免許は必要なのであろうか?第5輪荷重(カプラーにかかる重量)が5t未満であれば、最大積載量が5t未満であると解釈して、普通トラックと同様に普通免許で運転可能となり、何もけん引していないからけん引免許も不要なのであろうか?
結論を述べると普通免許で運転できる。2軸に限らず3軸のセミトラクターの車両であっても、トラクター単体の車両総重量(車両重量+乗車定員1〜3名、1名につき55kgで換算、第5輪荷重の数値は含まない)が
8t未満の車両であれば、普通免許で運転できるのである。2軸の海上コンテナ用のヘッドの車両も車両総重量は6〜7t程度なので、トラクター単体であれば普通免許で何とか回送できる。道路交通法上は普通自動車として扱われるので、高速自動車国道での法定最高速度は100km/hであり、大型車通行禁止の標識がある道路も通行できる。ただし、高速道路の通行料金の取扱いは、2軸のセミトラクターの車両は普通車料金または中型料金扱いになり、3軸の場合は大型車両扱いになる。
ただし、現実には、トラクターヘッドはシングルで8t程度、ダブルだとで10tを越えることが多いので普通免許でヘッドのみを運転できることはないようだ。

◆単体のトラクター(ヘッド)にけん引免許は必要か?
道交法第6章第85条に「牽引するための構造及び装置を有する大型自動車、普通自動車又は大型特殊自動車(以下「牽引自動車」という)によって、重被牽引車を牽引して当該牽引自動車を運転しようとする者は、当該牽引自動車に係る免許のほか、牽引免許を受けなければならない」と記されている。要はトラクタにカプラが付いている限り、トレーラを引いているいないにかかわらず「牽引免許」が要るという解釈もあるが、実際に兵庫県警および明石運転免許試験場に問い合わせたところ、重被非牽引車を牽引していない場合は、トラクターを運転する場合は牽引免許は不要であるとの回答があった。現実には、ディーラーが登録前に車を回送するのに「大型免許」しか持っていない場合、カプラを外して第5輪荷重5t以下なら普通免許、5t以上で大型免許で運転している場合もあるという。ちなみに第5輪荷重が5t程度のトラクタなら車両重量は4tとなり、車両総重量は8tを超えて大型免許が一般に必要となる。普通免許+牽引免許で回送できるトラクタは第5輪荷重4t以下のものが限度となる。第5輪荷重10tクラスだと、車両重量は6.5t程度となる。

◆普通免許でけん引二種免許に挑戦!
運転免許試験場の規則によると、普通二種・大型二種・大特二種の各免許を受けていなくても、けん引第二種免許試験は普通一種・大型一種・大特一種の各免許とけん引免許を保有していれば受験でき、免許の交付も受けることができる。つまり、例えば普通一種+けん引二種という組み合わせがでるのである。これはトラクターのヘッドが乗客を乗せることのできない構造の普通車のけん引車(いわゆる普通セミトラクタ)であるが、被けん引車が旅客用で営業運転するケースを想定しての免許の組み合わせといえる。よって旅客車たるトレーラの定員や連結全長その他の規定に関係なく、第5輪荷重5t未満などの規定を満たす普通セミトレーラー型営業用バスは普通一種とけん引二種で運転できることになる。しかし解釈には諸説があり、連結したトレーラーバスを一つの車両とみなし、定員や連結全長その他の関係から、トラクタヘッドの車種に応じて普通二種・大型二種・大特二種の各二種免許とけん引免許二種免許が必要となるとの見解もある。ただ、実際に旅客営業用けん引自動車が実際には殆ど存在しないので、国側も厳密な見解を出していない。連接バスやトレーラーバスなどの旅客営業用けん引車を保有するバス会社では、厳密な法律解釈に関係なく安全上の慣例・慣習として大型二種とけん引二種を取得させているようだ。

◆ポールトレーラをけん引するための免許
大型貨物でポールトレーラーを牽引する際は、大型一種、牽引に加えて、けん引される大型特殊の3種類の免許が必要であろうか?一般にポールトレーラーは長尺の輸送のために全長が簡単に変えられたり、車軸の操舵が自由にできるといった特殊な構造をしており、そのまま荷を載せることもアタッチメントで別の荷も載せられるという特殊性を持っている。非積載時にポールトレーラーを縮小して牽引する場合、右左折時に曲がりきれないため、ポールトレーラー側の車輪をやむなく操舵して展開するということがある。この行為などは特殊車両の操作であり、大型特殊車両の知識が必要となりそうである。つまりポールトレーラのけん引には大型一種、けん引に加えて大型特殊の3種類の免許が必要となると考えられる。
兵庫県警・大阪府警に問い合わせたところ道路交通法第16条により「この章の規定の適用については、自動車又は原動機付自転車により他の車両を牽引する場合における当該牽引される車両は、その牽引する自動車又は原動機付自転車の一部とする」ということから、たとえ大型特殊車両をけん引していても、けん引車両が大型一種またはけん引であれば、大特の免許はこれ自体に自走能がないのでそのけん引には大型けん引免許のみでよいとの見解であった。つまり、道路交通法85条第4項にあるように、牽引免許を受けた者で、大型免許、普通免許、大型特殊免許、大型第2種免許、普通第2種免許または大型特殊第2種免許を現に受けているものは、これらの免許によって運転することができる牽引自動車によって重被牽引車(けん引されるための構造と装置を有する車両で、車両総重量が750kgを超えるもの)を牽引して当該牽引自動車を運転することができるのである。

その他の豆知識 (よく似た用語だけど定義が異なる!)
車 両 詳 細
特殊用途自動車 いわゆる8ナンバーの車(ナンバープレート参照)。緊急自動車、道路維持作業用自動車、医療防疫用自動車、寝台自動車、放送宣伝用自動車、霊柩自動車、冷蔵冷凍自動車、護送自動車、タンク自動車、散水自動車、工作自動車、架線修理自動車、起重機自動車、移動郵便自動車、移動無線車、ふん尿自動車、路上試験用自動車及び教習用自動車、キャンピング自動車、クレーン用台車等。
ちなみに霊柩自動車は故人とはいえ、人を運ぶ車両なので、その運転には普通二種免許が必要かと思いきや、貨物自動車に含まれるのでその運転は「普通一種」でOKである。さらに、ご遺族が同乗される場合が多いので、実際には「普通二種」を持つ運転手が望ましいとのこと。
特定大型自動車

車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上、乗車定員30人以上(2ナンバーの大板)、レディミクストコンクリート積載車、火薬類積載車、大型自動車の緊急自動車など大型自動車の内でも特定大型自動車に当たるクルマは大型免許の他に21歳以上、大型・普通・大型特殊のいずれかの免許を受けた期間が通算3年以上という条件が必要となる。

大型特殊

総排気量が1,500ccをこえ、特殊な構造で特殊な作業に使用する特殊車両。大型特殊免許は「公道の運転免許」であり建設機械としての「作業」および搬送用車両(重機搬送用トラックなど)への積載等はできない。別途、「車両系の作業免許」をとる必要がある。作業免許がなくても作業機械(バケット)を駐車のために上げ下げすることは認められている。

特殊車両 特殊な車両とは、幅2.5m、長さ12.0m、高さ3.8m、総重量20t、軸重10t、隣接軸重1.8メートル以下なら18t、隣接軸重1.8メートル以上なら20t、(ただし、隣り合う車軸の軸距が1.3m以上、かつ隣り合う車軸の軸重がいずれも9.5t以下のときは19t)、輪荷重5t、最小回転半径12m以下という一般的制限値の制限値を越える車両をいう。詳細についてはこちら