chikurin


  Experience
No.09
3日目花束を持って友達が来てくれました。
看護婦さんが「遠い方のトイレ迄行ってみようか?」と言いました。
部屋に付いているトイレより共同の広いトイレ迄行った方が運動になるからです。
「う、うん・・・」としぶっていたら友達が「連れてってあげる!」と言って私の腕をかかえて一緒に歩いてくれました。

術後初めて部屋の外へ出ました。
私の個室はどこにあるんだろうと寝ている時に考えていました。
それは男の人の話し声がうるさいほど聞こえて来ていて「私はどこに寝ているんやろ?」と麻酔から覚めかけている時に考えていたのです。
「うるさいから静かにして!」と言いたかったのですが声を出す気力もなくまたその内に眠ってしまっていたのでした。

初めて外に出てやっとわかりました。
目の前がナースセンターで部屋の真横は外科病棟のロビーだったのです。
いくらロビーでも病院なんだからもっと小さい声で話してくれればいいのに・・・
どんな人だったかわかりませんが看護婦さんに言っておきました。

友達はゆっくりと一緒に歩いてくれてトイレ迄連れて行ってくれました。
そして便器の座る所をトイレットペーパーできれいに拭いてくれ私を座らせてくれたのです。
もう私は感謝感激・・・!
なんて素晴らしい友達を持ったことだろうと思いました。
「こんな事までしてくれて・・・」

4日目か5日目にまた4人部屋に戻りました。
先生がやって来て治療方法の話をしました。
退院してからの抗癌剤治療のお話でした。
「点滴の場合は半年で終わる代わりにほとんどの人は髪の毛が抜けてしまうし体調も悪くなります。
 それが嫌な場合は飲み薬があります。
 飲み薬は髪は抜けないけど2〜3年は飲み続けなければなりません。
 今の段階ではどちらでもいいのでどっちにしますか?
 今すぐ決めなくてもいいので考えておいて下さい。」という内容でした。
「ああ、どうしよう・・・」私は頭をかかえてしまいました。
「髪の毛が抜けてしまうなんて絶対いやや!」想像するとゾッとしました。
「でも2〜3年も薬飲むのもいややし・・・」
私はその日ずっと悩み続けました。
Back Top Next