chikurin


  Experience
No.19
いくらまれだと言われてもやはり気になって仕方ありませんでした。
もし万が一車イスの生活になってしまったら・・・
「どこへ行くにも不便やろなぁ・・・」
しかし、そんな事ばかり考えていても始まりません。
「もし歩けなくなってしまっても悔いのないようにしたい。」と思うようになりました。
それにはどうしたらいいか・・・
「そうだ!今の内にできるだけ行けそうな所へ行っておこう!」と思い付きました。
今迄一人で旅行した事なんてなかった私は思い切って一人旅を決心したのです。
友達の都合のいい日を待っていたんではなかなか行けそうにありませんからね。
でもすぐに見知らぬ土地へ行く勇気はなかったのでまずは京都市内を一人で歩いてみる事にしました。
京都市内なら生まれ育った町ですから道に迷ったって辺りを見渡せばどっちが北か南かすぐにわかるので迷子にはならない自信がありました。
お天気のいい日、前から一度行ってみたいと思っていた所や新聞に載っていたおもしろそうな場所へ行きました。
何回か出かける内に一人で出かける気軽さがわかるようになって来ました。
待ち合わせをする時間もないし、疲れたらいつでも好きなだけ休めるし素敵な場所には好きなだけいられます。
京都市内でも知らない所がまだまだ沢山ありました。
自信がついた私は思い切って一人旅をする事にしました。

またまた九州のメル友にお世話になって大分県の九重高原にあるペンションへ行くことになりました。
でもそこは山の中で交通は一切なく車でしか行けない所でした。
何も知らない私はもう計画を立ててしまっていたので経営者は気を使って大分空港迄迎えに来て下さったのです。
ペンションに着くと広い庭の木にてるてる坊主がぶら下がっていました。
九州のメル友が私のいる間晴れるように作って送って来たのを経営者が吊るしておいてくれたのです。
そしてすべて車で色んな観光地に連れて行って下さり、私の愚痴をみんな聞いて下さいました。
場所もとっても素晴らしい所でベッドルームもすごく可愛いお部屋でした。
術後初めて一緒に温泉に入る事もできました。
犬にヤギ、子馬と可愛い動物達もいました。
最後の日はオーナーのおじいさんと3人でカラオケパーティーをしました。
夢のように楽しい初めての一人旅になりました。
また行きたいのですが車の免許を持っていないので経営者の負担になってしまうからもう私一人では行く事ができません。

一人旅の面白さを知った私は色んな所へ出かけました。
もう楽しくって病気の事などすっかり忘れていました。
1年後またCTを受けたら何と背骨の悪い箇所が小さくなっていたのです!
先生は「薬が効いているからこれをずっと続けましょう。けれどいつ何時どこの骨が骨折するかわからないので気を付けて下さい。」と言われました。
乳癌で骨転移をした骨は骨粗鬆症のように脆くなってしまうのでそうです。
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