「竹の情報発表会」の開催
パネルディスカッション
前半は、各登壇者が自己紹介と竹や協会との関わりに ついて語った。岩松氏は北九州の地で、文学部人間関係学の視点から人と竹の関係を探究し、教育や地域活動を通じて竹文化を発信してきた。三木氏は竹材業を家業として継ぎ、伝統と現代をつなぐ実践や、代々受け継がれる思いを紹介。新谷氏は30年にわたって専門学校での教育を担い、後継者育成の現状を共有した。松本氏はいけばなの素材として竹を用い続ける立場から、変化する生活環境と竹利用の実例を語った。
後半は、はじめに小林氏が協会の50年の歩みを紹介。日本の竹を守る会の理念の紹介から始まり、機関誌の発行、植竹運動、国際交流など多様な活動が紹介され、参加者からも協会の意義と課題について意見が交わされた。岩松氏は、学術的・人的ネットワークとしての価値と、会則に記された「竹類研究センター」構想に言及。三木氏は現場感覚と研究情報の接続の重要性を強調し、教育現場への組み込みを提案した。新谷氏は、卒業生との接続やグローバルな情報発信の必要性を挙げ、松本氏は体験型教育の重要性を説いた。
また、SNSやYouTubeによる発信、教育現場との連携、会員交流の仕組み、双方向性の情報共有、英語での発信強化など、協会の今後の発展に向けた具体的提案も多く出された。閉会にあたり小林氏は、「竹の伝道師たれ」との言葉を掲げ、日本文化や日本人の精神性を支える竹に関して、個々の学びと教育の重要性を訴えた。