Ballet



おもなバレエ作品のあらすじと解説のページ

バレエをテーマにした児童文学作品
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ロマンティックバレエといえば「ラ・シルフィードLa Sylphide」と「ジゼ ルGiselle」が有名です。これらの作品が上演された時代、ポアントの技術が 洗練され、バレエ衣装としてロマンティックチュチュが使われるようになり ました。 一般的にはトウシューズをはいて踊るバレエ全体を指してクラシックバレエ と呼んでいるようですが、ロマンティックバレエというのはルネサンス頃を起 源としてルイ14世のフランス宮廷で発展したものをさします。その後19世 紀後半にはバレエの中心はロシアに移行し、技術的にも高度なテクニックが発 展し、音楽性も豊かになり「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」のようなストー リー性のあるバレエが演じられるようになりました。狭い意味ではロシアで発 展したバレエをクラシックバレエと呼びます。 バレエのみどころ 当然ながらバレエは無言劇で、いわゆる劇のようにせりふがあるわけでも、 オペラやミュージカルのように歌があるわけではありません。無言劇とはいっ てもパントマイムでもありません。バレエのポーズのひとつひとつにはパント マイムのような言葉に対応する意味があるわけではありません。 しかしながらストーリーのある内容が「踊り」という体の動きで演じられる わけですから、できれば演じられる演目の舞台になっている時代背景や物語の 粗筋のようなものを、あらかじめ知っていたほうがより深く楽しめるのは確か だろうと思います。バレエは舞台そのものにファンタジックな美しさがありま すし、バレエダンサーの体そのものと、その体のひとつひとつの動きが「バレ エ」という美の芸術でもあるわけですから、物語を詳しく知らなくとも楽しめ る要素はとてもたくさんあると思います。 バレエはなぜファンタジックなのか バレエの舞台というのは、劇場の舞台で演じられる演劇やミュージカルと言っ たものに比べると、現実離れした雰囲気がただよい、衣装にしろ何にしろかな り異次元的な世界であると言っても言いすぎではないかもしれません。しかし ながら異次元的であるからこそ興味はつきないし、おもしろさもあるのかもし れません。 バレエの最も特徴的なことは体を外に向けて開き、かつ「つま先で立つ」技 術です。ポアントの技術が生まれたのは、19 世紀頃で、最初にポアントで踊っ たのは、マリー・タリオーニ(1804-84)と言われています。バレエがなぜファ ンタジックなのかというよりは、バレエはこのポアントの技法をあみだしたか らこそ、バレエが表現するものは何かということがよりはっきりしたと言える のではないだろうか。ポアントの技術を得ることで、幻想的な妖精ストーリー がテーマになった作品を演じることがより効果的になり、バレエは舞台芸術とし て独立し、ロマンティックバレエの世界が開花し、今日のクラシックバレエの 基礎が作られたのではないかと思います。 ポアントの技法はバレエ表現のためにの最も重要な技法です。バレエといえ ばトウ・シューズで踊ることと言われるくらいポアントの技術はバレエのイメー ジのひとつですが、バレリーナにとってはその技法を得るためには考えられな いほど大きな苦労があるものです。バレエは制約が多いということもよく言わ れることでもありますが、制約や制限があると考えるよりは、その制約とはバ レエとしての表現方法を習得するために必要なことであるとしか言いようがな いものかもしれません。 バレエを踊るためには、ひとつひとつのポーズがきちんとできるようになる ために日々のレッスンで体を作ることが必要です。足はこのように、手はこの ように、そのようにできるためには、体は確実に外側に向いて開き、たとえば 第1のポジションがこのようになっていなければならない、そのポジションが 正確に取られていなければ足を前にも横にも出すことはできないわけです。 ルネッサンスの巨匠レオナルド・ダ・ビンチはダビデ像を制作する時、自分 がダビデの姿を刻んでいるのではなく、石のなかにあるダビデの姿を見つけ出 しているにすぎないのだというようなことを言ったそうですが、バレエにもま たそのようなことは通じるのではないかと私は思います。バレエという芸術が めざすもっとも理想的でもっとも素晴らしいポジションとポーズはすでにあり、 バレリーナはたゆまない訓練によって、自らの体のなかにそれを見つけ出して いくのではないかと思うのです。「私はダビデを見つけ出している」というダ ビンチの言葉をふりかえって見るならば、バレエのポジションとポーズという 制約は最高の創造美を知るための厳しい難関ではないのかとも思います。人間 にとってトウシューズで立つという行為は自然なこととは思えない、けれど、 人はまたそのようなことも訓練次第によってはできるわけです。バレエとは人 の体の黄金分割にかなった美を創り出す行為かもしれません。 一方では、クラシックバレエの厳しい制約を取り外し、大地に足の裏をつけ て自由に踊ることを提唱したイサドラ・ダンカンのようなダンサーもいます。 「自由に」とは心地よい響きのある言葉でもあるのですが、これはまたとても 難しいことでもあると思います。人はさまざまなやり方でさまざまな表現を行 うのだと思います。


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